店頭流通

ディーオン 販路拡大や修理拠点の一元化など 液晶テレビの販売体制を強化

2010/05/27 18:45

週刊BCN 2010年05月24日vol.1334掲載

 小型液晶テレビメーカーのディーオン(赤坂幸宣社長)は、自社サイトでの直販や家電量販店での販売に加え、法人向けに大手流通卸経由での販売に乗り出す。学校や官公庁、病院やホテルなど、法人の地上デジタル放送への切り替え需要獲得を狙う。さらに、テレビ通販チャネルの開拓にも着手。販路を広げて、ユーザーの拡大につなげる。これらの取り組みによって、今年度(2011年3月期)は前年の倍となる10万台の販売を目指す。

赤坂幸宣社長
 ディーオンは、02年に液晶ディスプレイメーカーとして創業。04年に液晶テレビ分野に参入し、現在は「CANDELA(カンデラ)」ブランドで15V・19V・22V・24V型の液晶テレビを販売している。今年度は、法人向けには大手流通卸、コンシューマ向けにはテレビ通販という販路拡大を図るとともに、夏をめどにLEDバックライト搭載モデルを投入し、ラインアップの強化を図る。また、本体カラーに従来のブラックのほか、ホワイトやレッドモデルの追加を計画。商品力の強化を図って販売に弾みをつけていく。

 販売拡大のバックグラウンドとして、現在長野県と兵庫県に置いている修理拠点を、7月に本社ビル(神奈川県横浜市)に統合。ユーザーの声をフィードバックしやすい体制を構築していく。

 そのほか、ポスト地デジとなる11年以降のビジネスとして、アジア各国の地デジ化をにらんで海外市場での販売も視野に入れて事業を強化。新しい商品カテゴリへの参入も計画していく。

 同社の製品は、「小型液晶としては、大手を含めてどのメーカーも採用していない光沢パネルを搭載」(赤坂社長)しており、さらに22V型と24V型については、小型ながらフルハイビジョンに対応している。また、きょう体には経年変化に強い塗装を施し、本体上部には持ち運びに便利な把手を取り付けるなど、「ひと味違うプレミアム感」を追求している。

 「モノづくりについては、大手メーカーを意識して、お客様に満足してもらえる商品をリーズナブルに提供する」(赤坂社長)ことをコンセプトに、ライバルである低価格メーカーとの差異化を図っている。コンシューマ向けにテレビ通販という新たな販売チャネルを開拓する一方で、現段階では雑貨などをメイン商材とする流通ルートでの販売は行わないなど、「プレミアム感」を守りながら販路を確保していく。(田沢理恵)
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