店頭流通
カシオ計算機 デジカメ修理でスピードサービス
2010/05/20 18:45
週刊BCN 2010年05月17日vol.1333掲載
時間短縮でCS向上、ファンづくりにつなげる
小澤康之 カシオテクノ リペア事業推進部次長 |
カシオでは、短時間修理を実現するためにデジカメの構造を工夫している。例えば、落下などで件数が最も多いレンズ修理。これに対応するために、レンズをユニット部品にして、交換するだけで修理できるようにした。また、ユニットは製品個別の調整用データを必ず付け、そのデータを使えば、交換したレンズでピント合わせ調整などの作業が短時間で済むようにしている。
太田康成 カシオテクノ 経営戦略部次長 |
加えて、修理した製品を返却する際にはカメラの取り扱いについて注意を喚起するチラシと、依頼した修理に関連した操作時のトラブルを解説したチラシを修理品に必ず同封している。
「修理を依頼したユーザーが同じ間違いをして、同様の故障で再度修理に出すことになれば、ストレスを感じるはず。チラシを使って注意を呼びかけることで、不要な修理を避けてもらいたい」(太田次長)との考えからだ。
取り扱いのチラシでは、故障が多いレンズ部分と液晶モニタの取り扱いについて注意を促しており、落下を防止するためにストラップを使って撮影することや、レンズ部をぶつけたり、レンズが出ている状態でカメラをテーブルなどに置かない、などといったことを勧めている。
操作時のトラブルに関してのチラシは、よくあるトラブルについて写真を使って要因と対処方法を丁寧に説明してあり、「故障だと思っても、カメラの特性などで故障ではないことも多く、それを知ってもらう」(小澤次長)ことを狙っている。
例えば、オートフォーカス(AF)に設定していてピントが合わない場合、まず、カメラが被写体のコントラストを検出してAFでピントを合わせている仕組みを説明。被写体のコントラストがなくてピントが合わないケース、被写体が暗くてコントラストが低いためにAFがうまく機能しないケース、被写体の動きが速くてAFが追従できないケースなどに分けて解説している。チラシの封入は、窓口をはじめとするすべての修理サービスで行っている。
藁谷幸司 カシオ計算機 CS企画管理部 国内企画室室長 |
カシオは窓口を中心に修理サービスを充実させてきたが、ユーザーがホームページ経由での修理サービスを重視していることが、独自調査でわかっている。具体的な施策は検討中だが、「今後はウェブでの引き取り修正サービスを強化していく」(藁谷幸司・CS企画管理部国内企画室室長)考えだ。(米山淳)
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