頂上熱戦

【頂上熱戦】「マザーボード」(後編) インテルと日本ギガバイト

2010/05/20 18:45

週刊BCN 2010年05月17日vol.1333掲載

 本連載「頂上熱戦」では、2社のIT・家電メーカーに“同じ内容の質問”を投げかけ、その回答を紹介する。(前編)では「製品戦略」を、(後編)では「販売戦略」を問う。

Question. 販売戦略は?

【共通質問事項】 (1)販売施策 (2)PCの自作市場について (3)今年の目標



Answer.ASUSTeK Computer

七高康介
マーケティング部
コンポーネントマーケティング
(1)【販売施策】ユーザーの意見を店頭での訴求や製品開発に生かすために、PCパーツショップで出口調査を実施している。当社製品のパッケージを持って店から出てきたお客様に対して、「なぜ当社の製品を選んだのか」「他社と比べてどうか」などの質問を投げかけ、意見を集めるというやり方だ。また、秋葉原と関西のPCショップを中心に、PC自作初心者を対象にCPUの取り付け方から教えるイベントを実施している。そこではPLX製のPCI Expressブリッジチップを採用し、USB3.0とSerial ATA 3.0の高速な転送速度を損なうことなく利用できる、という当社製品の強みを伝えている。

(2)【自作市場】PC自作ユーザーは新しいものが好きなので、現在のところ、最新のインテルCPUのCore iシリーズに対応する製品が伸びている。とはいえ、マザーボード全体の市場が拡大しているわけではない。従来製品のユーザーが買い替えているだけだ。最近では出来合いのPCの価格が下がり、自作PCが安いというメリットはなくなってきた。PCの自作は「趣味」になりつつある。市場を広げるために初心者を巻き込みたいが、PCの自作を難しいと思い込んでいる人も多い。今後も店頭イベントなどを積極的に実施し、PCを簡単に自作できることをアピールしていきたい。

(3)【今年の目標】インテルとAMDが6コア構成のコンシューマ向けCPUを発表した。今後はこれを意識した製品を展開し、2010年は販売台数シェア45%程度を国内で獲得したい。


Answer.日本ギガバイト

呂正民
代表取締役
(1)【販売施策】当社の製品は、独自の特徴を数多くもっている。マザーボードの基板に低発熱で電力効率のよい2オンス銅箔層を採用していること、USB3.0、Serial ATA 3.0、「USBパワー3倍機能」という三つの機能をあわせた「333オンボードアクセラレーション」などだ。しかし、これらの特徴をユーザーに伝え切れていない。そこで、Webサイトや、店頭に設置するPOP、説明書などで積極的に訴求していく。また、チャネルを拡大するために、代理店やSIerなど、新しい流通のパートナーを探しているところだ。

(2)【自作市場】Windows 7が発売された2009年10月は、インテルの新しいCPUのCore i7/i5に対応するマザーボードの販売数量が、前月(9月)に比べて約1.5倍伸びた。2010年1月には、グラフィックス機能を内蔵するより一般用途向けのCore i5/i3が登場した。その後は、対応するH55チップセットを搭載する1万・1万2000円台のマザーボードが伸びている。しかし、マザーボードの市場全体としては、2010年は昨年とほぼ同じくらいで推移するだろう。現在、販売台数シェア1位のASUSTeK Computerと当社をあわせて、市場の販売数量シェア70%以上を占めている。2社が競い合うことで、製品・サービスがよくなっていくはずだ。

(3)【今年の目標】2010年は販売台数シェア、製品の満足度、品質、サービスで日本一になるのが目標だ。また、USB3.0のマーケットリーダーを目指す。

(武井美野里が担当)
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