店頭流通
ソニー、2010年3月期、営業利益が317億円の黒字、コスト削減が奏功
2010/05/14 18:45
分野別では、主力のエレクトロニクス事業のコンスーマープロダクツ&デバイス分野で、液晶テレビが円高や価格下落、デジタルビデオカメラ、コンパクトデジタルカメラの市場縮小によって、売上高は前期比19.9%減の3兆2277億円に減少。しかし、原価や販売管理費のコスト削減によって、営業損益は465億円の赤字と、前年の1151億円の赤字から縮小した。
ゲームやPC、携帯オーディオなどのネットワークプロダクツ&サービス分野では、家庭用ゲーム機「プレイステーション3」のソフト販売が増加したが、円高の影響や携帯ゲーム機「プレイステーション・ポータブル」の販売や「プレイステーション2」のソフト販売の不振で、売上高は前期比10.2%減の1兆5758億に縮小。営業損益は、携帯オーディオの損益改善で831億年の赤字(前年は874億円の赤字)に縮小した。
10年3月期の業績では、金融分野の損益改善が営業利益の黒字に大きく寄与した。特にソニー生命の営業損益が改善し、金融分野では1625億円の営業利益(前年は312億円の赤字)を稼ぎ出したことが大きい。
最終利益は408億円の赤字(前年は989億円の赤字)だった。税引き前利益では269億円の黒字だったが、法人税などの影響で赤字に転落した。
2011年3月期は、売上高が前期比5.4%増の7兆6000億円、営業利益は4倍の1600億円、最終利益は500億を見込む。来期は、液晶テレビの販売台数が09年よりも1000万台多い2500万台と大きく伸びて事業が黒字化するほか、ゲーム事業や携帯電話を手がけるソニー・エリクソンも黒字化する見通し。
大根田伸行副社長は、液晶テレビについて、「当社は3DやLEDモデルなど、競争力のある商品をもっている。厳しいマーケットだが、2500万台は達成不可能な数字ではない」と自信をみせた。
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