店頭流通
オリンパス、最終利益477億、固定費削減と特損減少が寄与、5か年の経営計画も発表
2010/05/12 18:45
売上高は、レンズ交換式デジタルカメラの販売は好調だったが、コンパクトデジタルカメラ販売での単価下落や、血液検査などを行う分析機の事業を売却したことなどが影響し、減少した。
最終利益は、前期に新規事業の投資などで発生した特別損失を計上したが、今期は損失幅が大幅に減少。固定費の削減や分析事業の売却益もあって、利益を押し上げた。
営業利益は、前期比73.9%増の601億円だった。販売促進費を抑制することでデジタルカメラをはじめとする映像事業部門が黒字化したほか、携帯電話販売の情報通信事業部門も改善した。
主な部門別の業績は、主力の医療事業は営業利益が749億円(前期750億円)とほぼ横ばい。医療用内視鏡の中国市場での売り上げが拡大し、外科処置具も好調だったが、円高が利益を圧迫。原価削減などに取り組み、前期並みの利益を確保した。
デジタルカメラやICレコーダーなどの映像機器部門の営業利益は、33億円の黒字(前期は51億円の赤字)だった。デジタルカメラは、レンズ交換式の販売が国内外で好調な一方、コンパクトは価格下落や円高、販売台数の低下が足を引っ張り、売上高は減少した。ICレコーダーも、単価下落と需要低迷で減収になった。しかし、事業全体でコスト削減などを進めた結果、前期赤字から一転し、黒字を計上した。
2011年3月期の連結売上高は、前期比4.2%増の9200億円、営業利益は4.7%増の630億円と予想。最終利益は、分析事業の売却益がなくなることから、56%減の210億円になる見通し。
同時に、2015年3月期を最終年度とした新中期経営計画「2010年経営基本計画」も発表した。
中国・アジア市場の事業展開の強化、グローバル経営の事業基盤強化などが柱。アジア市場では、医療機器やデジタルカメラなどの販売体制と営業基盤を強化。2015年3月期には、アジア地域での売上高を10年3月期の2.5倍の2500億円にまで拡大する。グローバル経営の推進では、グループ共通の事業オペレーションの導入や、為替や需要に対応するために海外工場での生産拡大などを実施する。
セグメント別では医療事業では、エネルギー治療器や外科処置具を核に、外科事業を内視鏡事業と同規模までに成長させる。デジタル一眼レフ事業で、レンズ交換式デジタルカメラの商品開発や、日・米・欧での営業、販売網の体制などを強化。2013年3月期で、世界シェア15%を目指す。コンパクトデジタルカメラでも商品力の強化などのテコ入れを行い、13年3月期には15%の世界シェアの獲得を図る。
菊川剛社長は、今回の計画について、2019年に迎える創業100周年と照らし合わせて「事業の拡大と価値創造で、ステークホルダーとの関係も高めながら、企業価値の最大化を図りたい」と抱負を述べた。
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