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東芝、中期経営計画を発表、12年度に新興国のテレビ・PC台数比率を30%以上に

2010/05/11 18:45

 東芝(佐々木則夫社長)は、5月11日、2012年度を最終年度とする中期経営計画を発表した。2009年8月に発表した経営方針「利益ある持続的成長への再発進」をベースに、2012年度に売上高8兆円、営業利益4500億円を目指す。売上高に占める海外比率を、09年度の55%から12年度には63%に高めるなど、新興国を中心とした海外市場の強化を加速。グローバルトップの複合電機メーカーを目指す。

 事業グループ別では、テレビ、PC、HDDを含むデジタルプロダクツ事業の09-12年度までの売上高CAGR(成長率)を8.3%とし、2010年度に2兆6300億円、12年度に3兆円を目指す。営業利益率は、09年度の0.6%から10年度には1.1%、12年度は「少し低いが、2.0%にしていく」(佐々木社長)計画を掲げた。

 電子デバイスのCAGRは8.0%で、10年度に売上高1兆3800億円、12年度に1兆6500億円を計画。10年度の営業利益率は6.5%とし、09年度のマイナス1.8%からプラスに転じる見込みだ。12年度には10.9%に拡大させる。社会インフラのCAGRは10.5%で、10年度の売上高は2兆5600億円、営業利益率5.9%の見込み。12年度には売上高3兆1100億円、営業利益率6.8%を計画しているが、「利益率はさらに大きくしていきたい」との考えを示している。

 白物家電などの家庭電器のCAGRは、「物足りない」としながらも3.3%に設定。10年度の売上高6000億円、営業利益率は0.5%とし、09年度のマイナス0.9%からプラスに転じる見込み。12年度には売上高6400億円、営業利益率1.6%を目指す。

 デジタルプロダクツ事業の海外戦略としては、10年度にテレビとPCの「先進国の廉価モデルではない新興国に合ったモデル」を約40モデル投入する計画。12年度には、新興国の台数比率を30%以上に拡大する方針を示した。

 米国では、7月1日にテレビとPCの販売会社を統合させることで、販売店との交渉などでシナジーを発揮し、販売強化を図っていく。また、中国市場でのPC販売強化のため、中国国内の東芝ショップを09年の約2000店から10年度に3000店に増やす。

 2010年度の販売台数目標は、テレビが1500万台(09年度1000万台)、PCが2500万台(同1500万台)とした。

 東芝の09年度の業績は、売上高が前年を2729億円下回る6兆3816億円で減収だったが、事業の集中と選択、固定費の削減、収益構造の再構築によって、営業損益が前年の2502億円の損失から、1172億円のプラスに転換した。当期純損益は、前年のマイナス3436億円からマイナス幅が縮小し、197億円の損失となった。3000億円を超える改善を図ったことなどから、佐々木社長は「09年度は、成長に向けた着実な事業基盤の確保ができたと自負している」とし、2010年度は、成長事業であるNAND型フラッシュメモリ、原子力に力を入れるとともに、医療機器などのヘルスケア事業の拡大を図っていくことを表明した。

 また、太陽光発電システムのシステムインテグレーションやLEDなどの新照明システム、SSDとHDDを組み合わせたエンタープライズ向けストレージデバイスなどの新規事業領域の展開も加速する。

 新規成長事業への重点投資として、エンタープライズ向けSSDなどストレージデバイスの増産、2Xnm以降対応の半導体新製造棟、新型二次電池増産、電力システム増産、LEDなど、10-12年度の累計で、設備投資が09年度比74%増の1兆3000億円、研究開発費が同10%増の1兆700億円を見込んでいる。

中期経営計画を発表する東芝の佐々木則夫社長
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東芝=http://www.toshiba.co.jp/