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携帯オーディオ、5か月ぶり復活 iPod touchがけん引

2010/04/15 16:51

週刊BCN 2010年04月12日vol.1329掲載

 2月の携帯オーディオの販売状況は、5か月ぶりに台数、金額ともに前年同月比を上回った。09年10月以降続いていた前年割れ水準から脱し、販売台数が前年同月比で107.1%、金額で106.3%と伸びた。この大きな要因として、前年割れ基調で推移していたアップルの「iPod touch」の拡大が足がかりとなり、2月だけで同製品が133.3%を記録したことが挙げられる。

 メーカー別の販売台数の前年同月比をみると、この1年以上、前年同月比で2ケタ成長を続けているソニーが、2月も116.6%と順調に拡大。一方、前年割れが続いていたアップルが同月で113.3%と、5か月ぶりにプラスに転じた。

 アップル回復の起爆剤になったのが「iPod touch」で、09年2月に6.6%だったシリーズ別台数シェアが、10年2月には12.2%と倍増した。09年9月に実施した価格とラインアップ改定による効果が大きい。

 8GBの価格を従来の2万7800円から1万9800円に、32GBは4万7800円から2万9800円に価格を大幅に下げ、64GBを新たにラインアップに加え、テコ入れを行った。この施策が奏功して、2月の販売台数シェアは、アップルが2.6ポイント伸び53.8%、一方、ソニーが若干減り37.5%となった。

 また、「iPhone」の普及で、タッチパネルを使う操作性の認知が高まり、「iPod」ユーザーがここに流れた。「電話機能は不要だが、『iPhone』のような操作性とユーザビリティのある端末は魅力」という層が「iPod touch」を購入する現象が起きたようだ。

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