頂上熱戦

【頂上熱戦】「デジタルビデオカメラ」(後編) パナソニックと日本ビクター

2010/04/15 18:45

週刊BCN 2010年04月12日vol.1329掲載

 本連載「頂上熱戦」では、2社のIT・家電メーカーに“同じ内容の質問”を投げかけ、その回答を紹介する。(前編)では「製品戦略」を、(後編)では「販売戦略」を問う。

Question. 販売戦略は?

【共通質問事項】 (1)訴求方法 (2)目指す方向性 (3)今後の展開



Answer.パナソニック

谷川和宏氏
デジタルAVCマーケティング本部
商品グループ
ビデオチーム
(1)【訴求方法】イメージキャラクターとして森高千里さんを起用。テレビCMやカタログ、店頭販促物に登場し、「ビデオカメラといえば“ママ”」のイメージを訴求している。また、当社初の試みとして、2月から東京ディズニーランドでビデオカメラの体験イベントを実施している。光学ズームや手ブレ補正など、撮影機能を体験してもらうのが狙いだ。ユーザーの感想は、Webサイト「愛情サイズ研究所」で動画で紹介している。

(2)【方向性】子どもをもつ母親が喜ぶ製品を目指していく。具体的には、「手ブレが気になる」「子どもの顔をアップで撮りたい」など、製品に対する不満点を一つひとつ改善し、製品開発に生かしていくことが大切だ。こうした研究を重ねて製品化したものを、一人でも多くのユーザーに提供していきたい。それが、結果的に販売台数の伸びという形につながればいいと考えている。

(3)【今後の展開】母親をターゲットとしているだけでは、市場は長期的に成長していかない。例えば、中高年の方が旅行先で使うなど、新しい使い方を提案していく必要がある。また、ユーザーの利用頻度を高めなければならない。それには、従来の利用イメージからの脱却が不可欠だ。そのきっかけの一つとして、当社のテレビ「VIERA(ビエラ)」が新たに対応した3D(立体)映像に着目し、対応するビデオカメラの製品化を検討している。3Dを視聴するユーザーの環境が整えば、これまでにない世界が広がると期待している。


Answer.日本ビクター

浅川健司
デジタル・イメージング事業部
イメージング統括部
商品企画部
企画グループ長
(1)【訴求方法】ビデオカメラ「Everio(エブリオ)」は、イメージキャラクターにベッキーを起用し、女性のライフスタイルをイメージしながらアピールしている。一方、ムービーカメラ「PICSIO(ピクシオ)」は、10~20代の若者がターゲット。ディスカウントストアなどでイベントを実施し、動画の楽しさを伝えている。家電量販店に加え、新規チャネルの開拓にも注力する。

(2)【方向性】ビデオカメラ「Everio(エブリオ)」は、イメージキャラクターにベッキーを起用し、女性のライフスタイルをイメージしながらアピールしている。一方、ムービーカメラ「PICSIO(ピクシオ)」は、10~20代の若者がターゲット。ディスカウントストアなどでイベントを実施し、動画の楽しさを伝えている。家電量販店に加え、新規チャネルの開拓にも注力する。

(3)【今後の展開】新しいトレンドとして、PCの動画共有サイトなどで動画を楽しむムービーカメラに期待している。当社は09年9月に「PICSIO」を発売。米国ではすでに確立しているジャンルで、売れ行きは堅調だ。ユーザーは若者で、日常の風景をスナップ感覚で撮影している。まだ国内でのムービーカメラは市場にインパクトを与えるほどになっていないが、今後は伸びるとみている。使い方をどのように提案していくかが、業界全体の課題といえる。
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