店頭流通

ワークスタジオ 家電展示ツールの商流を革新

2010/04/08 18:45

週刊BCN 2010年04月05日vol.1328掲載

 ワークスタジオ(原和広代表取締役)は3月5日、携帯電話向けの展示ツール「Fritt G1」を発売した。実際に端末を手に取ってもらえるデザインで、ユーザーの購買意欲を喚起する。原代表取締役に「Fritt G1」の製品戦略と、店頭展示の構想について聞いた。

原和広代表取締役
 ワークスタジオは、携帯電話やPC、テレビ、オーディオ機器などの展示什器やショップデザインを基幹事業に、1998年に設立。取引先は、家電量販店や携帯電話のキャリア店、複数のキャリアを扱う併売店と幅広い。携帯電話に特化したスタンドに強みをもち、端末を縦に陳列する「tatedis」、端末の後ろにPOPを挟むパネルを採用した「panedis」、好きな場所に端末を貼り付けられる「Fritt」を製品化している。いずれも洗練された美しいデザインだ。

 新製品の「Fritt G1」は、同社の携帯電話向け展示ツールの4代目にあたる。既存のポケットタイプの什器とは異なり、端末を壁面から浮かせた状態で固定することで、手に取りやすくした。ユーザーが「触りたい」と思う展示を目指すことで、消費行動を促すのが狙いだ。原代表取締役は、「Fritt G1をとっかかりに、店内全体のデザインも受注できるよう力を入れていく」と意気込む。

 現在、家電量販店やキャリア店の展示ブースの設計は、大手広告代理店や什器メーカーが主導権を握っている。こうした構造に組み込まれた形でビジネスを展開すると、「各店舗の展示フォーマットを形にすることが中心となり、新しい手法に挑戦することができない」(原代表取締役)。そこで同社は、09年4月から、中間業者を介さずに直接店舗と取引する方針に切り替え、同年7月にその取り組みがあるキャリア店で実を結んだ。今後も「当社のほか、パートナー企業を含めた中小企業にスポットライトが当たる」(原代表取締役)新しい商流の構築に力を注いでいく。

 店舗への訴求は、店舗総合見本市「JAPAN SHOP」などの展示会やダイレクトメール、ウェブサイトを活用することによるプル型で展開する。「(Fritt G1をはじめとした)商材を求める顧客は必ずいる」と、自社製品に自信を示す。ただ、家電の展示ツール業界では、製品の認知度はまだ低い。より多くの店舗に知ってもらうために、一層の努力が必要と認識している。

 いまやECサイトで製品を購入することが当たり前になっているなかで、「実店舗での展示が果たす役割とは何か、問われる時期がくる」と原代表取締役は課題を語る。「展示の方法でユーザーの消費行動が変わるという啓発活動が必要だ。また、店頭で製品を買う意義を見出していくことが不可欠だ」と店頭展示の将来像を語った。(井上真希子)

Fritt G1
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