店頭販売奮闘記

【店頭販売奮闘記】三洋電機コンシューマエレクトロニクス(前編) 若い女性を狙うCM戦略で認知度高める

2010/04/08 18:45

週刊BCN 2010年04月05日vol.1328掲載

 このコーナーでは、店頭販売に注力するメーカーの販売第一線の動きを紹介する。(前編)では各社の販売戦略や体制を、(後編)では現場の奮闘ぶりを追う。

横田功
家電事業部 企画統括部
デジタル商品企画部
主任企画員
 三洋電機の民生用製品の販売を手掛ける三洋電機コンシューマエレクトロニクス。横田功・家電事業部企画統括部デジタル商品企画部デジタル企画二課主任企画員は、ムービーカメラ「Xacti」を担当し、東京・大阪・福岡の家電量販店に向けて、バイヤーとの交渉やラウンダーの同行などの営業活動を行っている。

 「Xacti」は、日常の風景を手軽に撮影できるのを売りとしている。撮影した動画は、動画共有サイトやブログ、SNSにアップロードするのが一般的な使い方だ。家電量販店では、デジタルカメラとデジタルビデオカメラの両方に展示スペースを確保する。「『Xacti』の特性は、PCとの親和性が高いこと。もし、どちらか一方を選ぶなら、デジタルカメラの棚に陳列してもらいたい」と思っている。このほか、Web上での販促にも力を注いでおり、「店舗とWebの両輪」でユーザーを獲得していく方針だ。

 商談の際には、「デジタルカメラとビデオカメラの中間に位置するこれまでになかった新しい市場」として訴求している。ただ、「バイヤーや店頭のスタッフは、製品やブランドのコンセプトを認知しているが、ユーザーにはまだ浸透していない」と課題を挙げる。

 そこで、2月発売の「DMX-CS1」については、モデルの長谷川潤さんを起用したテレビCMを3月上旬から打ち始めた。過去に防水モデルでCMを打ったことはあったが、若い女性にターゲットを絞ったのは今回が初めて。CMを導入した理由は「フルハイビジョン対応で軽量・薄型という“商品力”」に自信をもっているため。ユーザーの認知度を高めるべく、露出機会を増やす努力を重ねている。

 現在、ムービーカメラは、参入メーカーが少ないこともあり、日本で市場が確立しているとは言い難い。しかし、横田主任企画員は、「映像をPCでシェアする文化が根づけば、『Xacti』の存在感は高まる」と市場拡大の可能性に期待する。(井上真希子)
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