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リニアPCMのモデル数、大幅増 ICレコーダー市場をけん引

2010/04/01 16:51

週刊BCN 2010年03月29日vol.1327掲載

 デジタル家電市場では、エコポイントの影響で引き続きデジタルチューナーを含む「薄型テレビ」が好調を維持している。「薄型テレビ」の2月の販売台数は、前年同月比で6割増を記録。前年同月比で6割を超える大幅な伸びを示すのは6か月連続になる。

 これ以外では、「IP関連通信機器」「携帯オーディオアクセサリ」も安定した荷動きが続く。前者はBluetooth対応のヘッドセットの躍進が、後者はソニーの携帯オーディオに対応したサードパーティー製のケースや電源アダプタなどの販売増が好調の要因だ。「画像関連機器」では、新入学シーズンを前に「デジカメ」需要が好転したものの単価下落は激しく、2月の金額が前年同月を下回った。

 意外に伸びが顕著なのが「ICレコーダー」だ。2月は台数が前年同月比で2ケタ増の110.4%、金額は102.6%と好調に推移している。この「ICレコーダー」は、圧縮して録音する通常タイプのモノと、非圧縮でCD並みかそれ以上の音質で録音できるリニアPCMレコーダーに大別できる。前者の販売台数が減少傾向にあるのに対し、後者は急上昇中だ。

 「ICレコーダー」市場が好調であるため、主要メーカーは新製品を次々投入している。とくに、リニアPCMレコーダーは2009年8月以降、月を追うごとにモデル数が増加し、2月の段階で58種類に増えている。一方の通常タイプは、90種類前後で安定傾向にある。今後、リニアPCMレコーダーが「ICレコーダー」市場をけん引することは確実だ。(谷畑良胤)

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