店頭流通
オリンパスイメージング 「PEN Lite」でさらに新市場開拓
2010/03/25 18:45
週刊BCN 2010年03月22日vol.1326掲載
「デジタル一眼の販売台数は伸びているが、デジタルカメラ全体に占める構成比は年々落ちている」と語るのは、国内営業本部本部長の五味俊明取締役。そのなかでマイクロフォーサーズ機は、「従来のデジタル一眼の重い、大きい、難しいというデメリットを解消し、新市場開拓の先鋒の役割を果たしている」と自信をみせる。
09年発売の「E-P1」と「E-P2」の購入者を分析したところ、「女性比率が20%以上を占め、5割強が今までデジタル一眼をもっていなかった新規ユーザーだった」と五味取締役は説明する。この結果から、「『OLYMPUS PEN』シリーズが従来のデジタル一眼の市場構造や消費者行動を少しずつ変え、新たな市場を開拓している」とみており、エントリーモデル「E-PL1」でさらにユーザーの底辺を広げる考えだ。
そのために、「E-PL1」には、専門用語を一切使わず、鮮やかさ、色、ボケ味など、普段使っている言葉の表示に従ってバーを上下させるだけで思い通りの写真を撮ることができる「ライブガイド」機能を搭載。「OLYMPUS PEN」シリーズで初めてのフラッシュも内蔵した。
販売施策は、「ライブガイド」を解説する動画やPOPなどの資材を、従来の「OLYMPUS PEN」シリーズの数倍に増やして店頭でアピール。時代の先端を行くギアを求めるアップル製品のユーザーと「OLYMPUS PEN」シリーズのユーザーのプロファイルが重なっていることから、札幌から福岡まで全国7か所のアップルストアで「E-PL1」を使ったカメラ教室を開催するなど、イベントを積極的に行っていく。
レンズ交換式の小型デジタル一眼は、ソニーが10年度内に製品を投入する予定だ。他社の参入について、オリンパスイメージングは「喜ばしい。市場が活性化すると期待している」(イメージング事業本部本部長の中嶋正徳取締役)としつつも、「センサーの大きさなど、他社のフォーマットはマイクロフォーサーズとは異なる。小型・軽量化に一番適しているのはマイクロフォーサーズだ」(中嶋取締役)と優位性をアピール。今後はさらに小型・軽量化を進め、迎撃する構えだ。(武井美野里)
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