カメラ周辺

“カメラ女子”を開拓
ユーザーの声を製品に反映

　カメラバッグやケース、三脚、額縁、アルバムなど、カメラアクセサリを販売するハクバ写真産業は、現在、約4300点におよぶ製品をラインアップしている。2010年は「カラー」「多様化」「付加価値」の三つを軸に製品を展開していく方針だ。

　例えば「カラー」では、コンパクトデジタルカメラ用のケースのカラーバリエーションを拡充。「多様化」では、これまでになかったトートバッグ型やメッセンジャーバッグ型を投入し、ファッション性を前面に出す。「付加価値」については、ケースと同じ色・素材のストラップを付属するセットモデルを提供する。

　こうした製品戦略の背景には、ユーザー層の変化がある。過去にフィルムカメラを使っていたカメラ愛好家のような上級者よりも、“カメラ女子”と呼ばれる女性ユーザーやファミリー層などの初心者が増えてきている。同社は、こうしたターゲットに一つひとつアプローチする形で製品の方向性を変えてきた。購買部Web販売促進課の渡辺秀樹氏は、「われわれの意識改革が必要」と、女性ユーザーへ傾斜する姿勢をみせている。

　さらに、今年はデジタル製品専門誌とのコラボレーションを実現。ハクバにとって、他社とのコラボレーションはこれが初めてだ。Webで読者から意見を募り、それをカメラバッグのデザインに反映するという試みだ。渡辺氏は「異なる業界と協力するのは刺激になり、製品戦略に役立つ」と今後の展開に意欲を示す。成果は、夏頃には製品化の予定だ。

　カメラアクセサリは、カメラ市場全体の動きに左右される。BCNランキングでは、09年はコンパクトデジカメの販売台数・金額の前年割れが目立ったが、「今年は（キヤノンなど）一眼の発売ラッシュが起爆剤になる」（渡辺氏）と期待している。