店頭販売奮闘記
【店頭販売奮闘記】ティアック(前編) チャネル拡大で露出度高める
2010/02/25 18:45
週刊BCN 2010年02月22日vol.1322掲載
小泉貴裕 プロフェッショナル機器 事業部 タスカム営業部 国内販売課コンシューマ係 係長 |
2月発売の「DR-2d」「DR-08」は、CDの音質であるサンプリング周波数「44.1kHz/16bit」よりも高音質な「96kHz/24bit」に対応した。「ユーザーの選択基準の大きな要素となるスペック面を、他社製品と同水準にした」(小泉貴裕・プロフェッショナル機器事業部タスカム営業部国内販売課コンシューマ係係長)製品である。だが、スペックだけに頼るのではなく、録音した音を実際に聴いてほしいというのが、小泉係長の本音だ。
5年ほど前は楽器専門店だけで販売していたが、家電量販店まで販売チャネルを拡大。店頭では、ICレコーダーコーナーに加え、楽器のフロアでも展開する。「楽器を楽しむ人に録音は不可欠」として、露出を増やす努力を重ねた。このほか、「一般の人にもリニアPCMレコーダーを見て、触ってもらいたい」という想いから、イオンなどのショッピングセンター内の楽器店でも訴求。取り扱い製品の品揃えを増やしたいという楽器店側のニーズとも合致したという。
実店舗だけでなく、2008年以降はWebサイトによる通販の売れ行きに手応えを感じるようになった。ただ、Webだけで販売が好調になるわけではない。「店頭であまり展示できなかった製品は売り上げが芳しくない」。店頭でいかに製品を置いてもらえようにするかが要だ、と小泉氏は強調する。同社の製品は業務向けや音楽制作の分野ではすでに認知されている。リニアPCMレコーダーをはじめとしたコンシューマー市場でも、存在感を高めていくのが今後の課題だ。(井上真希子)
・後編に続く
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