店頭流通

マウスコンピューター 携帯オーディオ市場で「ニッチ」を狙う

2010/02/18 18:45

週刊BCN 2010年02月15日vol.1321掲載

 マウスコンピューター(小松永門社長)は、周辺機器ブランド「iriver」から、ネックレスタイプの携帯オーディオプレーヤー「N15 JEWEL」を2月下旬に発売する。アップルとソニーが携帯オーディオの市場を支配するなかで、個性的な製品を武器に、主に25~40歳前後の女性ユーザーをターゲットに据え、ニッチマーケットで存在感を発揮する狙いだ。

女性をターゲットにしたデザインで勝負

藤川真人主任
 マウスコンピューターは、2009年7月に、iriverを吸収合併し、PCや液晶ディスプレイとデジタルオーディオを統合。販売体制を強化してきた。アクセサリ感覚で身に着けるネックレスタイプの携帯オーディオは、iriverブランドでは6年ぶりとなる。独自のサウンドエンジンを搭載し、高音質という携帯オーディオとしての要件を押さえながら、今まで以上に「女性にウケるデザインを重視」(藤川真人・マーケティング本部プロダクトマーケティング部主任)したという。

 市場の現状を、10~20歳代前半の若者ユーザーはアップルとソニーのプレーヤーに向かうと分析し、新製品では、一つ上の世代の「ハイセンスな女性」(藤川主任)に目を向けた。デザインは細かいところまで配慮し、例えば、タッチキーに宝石をイメージしたLEDを採用して、触れると美しく光り輝く仕掛けを施している。

 販売チャネルは5~6割が家電量販店で、そのほかウェブ直販サイトなどで展開する。サイトでは、新製品のファッション性を前面に押し出し、今後は「ファッション雑誌にも広告を出していく」(藤川主任)など、女性ユーザーに的を絞ったマーケティングを展開していく。

 中小メーカーにとってシェアが獲得しにくい携帯オーディオの市場。しかし、ハイセンスな女性をはじめとした「ニッチマーケット」なら、まだポテンシャルが大きいと、藤川主任はにらむ。もちろん、大きな数字が取れないからといって、「撤退は考えていない」(藤川主任)。今後もユニークな製品の投入で個性を求めるユーザーの心を掴み、「iriverファン」を増やす。大手のメーカーには勝てなくても、一定のシェアを保つことに力を入れる方針だ。(Senf Mischa=ゼンフ ミシャ)

N15 JEWEL(4GB)
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