本連載「頂上熱戦」では、2社のIT・家電メーカーに“同じ内容の質問”を投げかけ、その回答を紹介する。（上）では「製品戦略」を、（下）では「販売戦略」を問う。

・（上）から読む

Question.　販売戦略は？

【共通質問事項】　（1）スタンス　（2）販売戦略　（3）今後の展開

Answer.センチュリー

廣松繁忠 取締役 PC事業部長

（1）【スタンス】一番の目標は、販売金額でのシェア1位獲得に置いている。販売店も売上額を目標としているので、メーカーとしてそれをいかにサポートするかが重要だ。一方、ユーザーに対しては、クオリティの高い製品を納得できる価格で提供している。他社に比べて平均単価が高いのはそのためだ。

（2）【販売戦略】旬のもの、ユーザーが欲しいと思うものをより早く提供するようにしている。こちらの思惑通りにマーケットが変わるとは限らないので、ロードマップは作らず、臨機応変に対応する。例えば、2009年はSSDの普及を受けて、2.5インチのSSDを2台収納できる「技あり！楽ラック！2.5 RAID（CERS25R-BK）」を11月に発売。RAIDが組めて、SSDのスピードが増すことをアピールした。今後、SSDの価格が下がれば、さらに需要が伸びるアイテムだ。

（3）【今後の展開】東芝「REGZA（レグザ）」に代表される外付けHDDへの録画に対応する液晶テレビへの利用など、パソコン以外の用途の広まり具合では、HDDケース市場は今後も伸びるだろう。気に入ったデザインのものが欲しい、もっと大容量のものを使いたい、壊れた際にHDDを交換したい、パソコンから抜いたHDDをテレビ用に使い回したいなど、既製の外付けHDDでは満たせないニーズが増えてくるはずだ。そうなれば、パソコンは使わなくてもHDDケースは使うといった人も出てくる。テレビ売り場にHDDケースが置かれるようになれば面白い。


Answer.シー・エフ・デー販売

野崎牧人 事業推進部 玄人志向マーケティンググループ

（1）【スタンス】より良いものをより安く――当社が正規販売代理店を務める「玄人志向」ブランドの基本コンセプトであり、強みだ。ユーザー目線に立ってニーズに応えられるような製品を展開し、2010年は販売台数シェアNo.1を奪回したい。

（2）【販売戦略】直近ではパッケージを従来のカラフルなものからブラックに変更し、統一感を出した。また、当社は発売と同時に大型店からPCパーツ店まで全国の販売店へ一気に商品を並べて、全国のお客様に幅広いラインアップで提供できるような物流体制を構築している。

（3）【今後の展開】注目しているのはAV機器、ゲーム機などパソコン以外へのHDDケースの使い方。販売店ではAV機器と外付けHDDが一緒に売られており、強力な訴求力がある。外付けHDDを記録媒体とするAV機器がもっと普及すれば、さらに大容量のストレージが欲しい、個人用のHDDが欲しいといったニーズが高まるだろう。その意味では、記録媒体としてのHDDの需要は、今後さらに伸びる。HDDケースもそれにあわせて進化しなければならない。一般の人にも使いやすく、わかりやすいことを訴求していく必要がある。また、パソコンユーザーとAV機器のユーザーは異なるので、商品が故障した際のサポートについてもきちんと対応していかなくてはならない。HDDケースは初心者へも広がってきている。ブランド名からくる「玄人」というイメージを払拭し、やさしい「玄人志向」をアピールしていく。