店頭流通

メディアファイブ 「萌え系」でユーザー拡大

2010/02/10 18:45

週刊BCN 2010年02月08日vol.1320掲載

 メディアファイブ(北畠謙太郎社長)が、2010年1月から新たな販路開拓に乗り出した。ソフトバンクBBや丸紅インフォテックなどを通じた量販店向けや、書店系などの流通に加え、教材の訪問販売業者や、メディアファイブの製品ユーザーなど、業種や法人・個人を問わず新規販路を「現在の5~10倍にあたる60店に飛躍させる」(北畠社長)狙い。また、若者をターゲットに「萌え系」キャラクターを使った新製品を投入し、ユーザーのすそ野拡大を目指す。

北畠謙太郎社長
 メディアファイブは、ソフトバンクBBや丸紅インフォテックなどを通じて、宅地建物取引主任者(宅建)、行政書士、FP技能検定などの資格対策ソフト「media5 Premier Royal」シリーズや、語学学習、小・中・高校生向けPC学習ソフトを販売している。7~8年前からは、紀伊國屋書店に専用コーナーを設置して製品展開するなど、販売拡大に向けた取り組みを行ってきた。

 2009年6月には、PCソフトに加え、ニンテンドーDS用に教養・ビジネス戦略ソフト「孫子の兵法 DS」を投入。10年1月には、情報処理系3試験に対応したDS用ソフトを追加し。DSユーザーをにらんだ製品展開にも力を入れている。 09年度上期(09年4~9月)の売上高は、学校向けの販売が好調だったことで「ここ3~4年では一番良かった」(北畠謙太郎社長)ものの、店頭での販売は縮小が続いている。ビジネスを拡大するためには、ユーザーのすそ野を拡大していくことが課題となっていた。

萌え系キャラを採用した新製品。宅建、行政書士、基本情報技術者試験など10タイトルを2月5日に発売した

 そこで09年から、「media5 Premier Royal」シリーズをベースに、萌え系キャラクターを使った「教えて773(ナナミ)資格試験」の製品化に取り組んできた。宅建、中小企業診断士、行政書士、基本情報技術者試験など10タイトルを2月5日に発売し、今後は英語学習などタイトル数の拡充を図る計画だ。

 価格が1万3000円強の「media5 Premier Royal」シリーズに対し、新製品は7140円に設定。価格の敷居を下げるとともに、「萌え系」キャラクターを使うことで、これまで獲得できなかった若者ユーザーの取り込みを狙う。さらに、DS用ソフトへの展開も見据えている。

 新製品の展開と同時に、ビジネスパートナーを拡大し、各種製品の拡販を目指す。例えば、宅建取得者や行政書士事務所などが「media5 Premier Royal」を販売したり、教材販売業者が子ども向け学習ソフトを販売したりすることを想定。同社ソフトを使って自宅のPCで学習することで、資格予備校や塾に通うよりも安価に効率よく学べることを訴求していく。

 同社は、新製品の投入や販路拡大に注力することで、今年度(2010年3月期)の売上高を2億5000万円に、また来年度(2011年3月期)は今年度の1.5倍にする計画だ。最近の雇用環境の悪化に伴う資格取得ニーズをつかむとともに、Windows 7の軽快な操作感やタッチ対応を追い風に、教育ソフトの販売に弾みをつけていく考えだ。(田沢理恵)
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