店頭販売奮闘記

【店頭販売奮闘記】ヒサゴ(下) 品質の自信をサンプルで訴求

2010/02/04 18:45

週刊BCN 2010年02月01日vol.1319掲載

 このコーナーでは、店頭販売に注力するメーカーの販売第一線の動きを紹介する。(上)では各社の販売戦略や体制を、(下)では現場の奮闘ぶりを追う。

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流 孝次
営業部
東京営業課チーフ
 商品開発の専任者は置かず、販売の最前線を担う営業担当者の声から商品を生み出すというヒサゴ。「販売を担当するだけでなく、商品開発もできることが、この会社の魅力」と、流 孝次・営業部東京営業課チーフは、同社に転職した動機を振り返る。流・チーフは、家電量販店を経て、同社に入社。その経験を生かし、売り場づくりを考えている。さらに、「紙は、そのままにしておくと劣化してしまう」ことや、「きれいに陳列しておかないと売れない」という特性があるため、売り場のメンテナスにも気を配るなど、拡販を図るために、各販売店を綿密に巡回している。

 同社の販促ツールの特徴は、チラシやPOPだけでなく、サンプルを用意していることだ。ソフトやプリンタなど使用環境に対応するかどうかをサンプルで実際に試してもらうことで、ユーザー獲得につなげる狙いだ。例えば、低価格帯の宛名・分類ラベル「エコノミーラベル」には、3枚入りの“サンプルパック”を用意したが、これは、「低価格にしたといっても、品質を落としたわけではない」ことを自信をもって伝えるという狙いもある。また、サンプルは、ユーザーに訴求する目的だけでなく、売り場で商品を分かりやすく伝えるための販売支援ツールとしての役割を果たすことも目指している。

 同社が扱うプリンタ用紙は、デジタル家電のように注目が集まる花形商品ではない。しかし、家電と異なるのは、値切るユーザーはほとんどいないことだ。「単価は安いが、利益率は高い」し、「消耗品なのでリピート率が高い」というメリットがあるのだ。流・チーフは、このメリットを「販売店さんに伝えていく」ことにも力を入れている。(田沢理恵)

ビックカメラ新宿西口店のプリンタ用紙売り場
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