頂上熱戦

【頂上熱戦】「プロジェクター」(下) エプソン販売とベンキュージャパン

2010/02/04 18:45

週刊BCN 2010年02月01日vol.1319掲載

 本連載「頂上熱戦」では、2社のIT・家電メーカーに“同じ内容の質問”を投げかけ、その回答を紹介する。(上)では「製品戦略」を、(下)では「販売戦略」を問う。

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Question. 販売戦略は?

【共通質問事項】 (1)販売戦略 (2)ユーザーへの訴求 (3)今後の取り組み



Answer.エプソン販売

久保厚
プロダクトマーケティング部
部長
(1)【販売戦略】プリンタやプロジェクターなど、エプソンのビジネス向け製品を対象としたキャンペーン「お得祭り2010」を2009年12月1日から10年3月31日まで実施。このうちプロジェクターについては、4機種を80型スクリーンとセットで販売するが、価格は据え置きで提供する。ビジネス向けプロジェクターはエントリータイプから業務用の常設タイプまで幅広いラインアップを揃えており、下のラインと上のラインを並行して注力していく。

(2)【ユーザーへの訴求】家電量販店では、新製品発売のタイミングにあわせて法人営業担当者向けの勉強会を開き、製品について理解を深めてもらっている。顧客に対してより詳しい製品説明ができるよう、当社の営業が店頭に出向くこともある。このほか、実際に投影した映像が見られる無料デモンストレーションサービスを実施している。

(3)【今後の取り組み】リーマン・ショック以降の経済状況の悪化によって、企業は投資を抑えているため、値ごろ感のある製品でないと売れない。10万円を切るコストパフォーマンスのよいラインを強化して、市場全体で高いシェアを獲得したい。売れ筋の「EB・S62」と「EB・S8/X8/W8」をあわせて、発売月の09年9月から1年間で4万台の販売を目指す。また、当社では輝度が6000・7000ルーメンの高光束モデルに参入したばかり。このほかデジタルサイネージ分野にも可能性があると考えており、これらの新しい市場でいかにポジションを上げていくかが課題だ。


Answer.ベンキュージャパン

范博政
プロダクトマネージャー
プロジェクター
(1)【販売戦略】テキサスインスツルメンツと共同開発したDLPチップと自社開発の「魚眼レンズ」を組み合わせた製品として、他社よりも早く短焦点モデルを市場に投入。2008年の時点で3機種だったが、09年にはさらに3機種を投入し、合計6機種までラインアップを拡充した。短焦点モデルは日本国内だけでなく、ワールドワイドで力を入れている。このモデルのように、他社にないものをいち早く、低価格で出すことが重要だと考えている。

(2)【ユーザーへの訴求】家電量販店では、09年2月から、秋葉原のヨドバシカメラで投影スペースに製品を設置。他社の製品と画面を見比べて色味を確認できるようにした。このほか、市場としてとくに注力していく分野は教育。Webサイトをみんなで共有して閲覧するなど、小・中学校ではプロジェクターを授業で活用するようになっており、教育現場での需要は今後増えていくとみている。

(3)【今後の取り組み】短焦点プロジェクターをワールドワイドで展開しているメーカーとして、パイオニアの自負がある。法人、教育、コンシューマをあわせたすべての市場で、これからも短焦点モデルに力を入れていく。国内のプロジェクター市場は縮小しているといわれるが、伸びしろはまだあると楽観的に捉えている。10年の販売目標は、前述の3分野を含めて1万台以上。広告宣伝や店内の展示で、プロジェクターの使い方をユーザーに提案していくことが、メーカーの使命だと感じている。
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