頂上熱戦

【頂上熱戦】「コンパクトデジタルカメラ」(下) キヤノンマーケティングジャパンとカシオ計算機

2010/01/21 16:51

週刊BCN 2010年01月18日vol.1317掲載

 本連載「頂上熱戦」では、2社のIT・家電メーカーに“同じ内容の質問”を投げかけ、その回答を紹介する。(上)では「製品戦略」を、(下)では「販売戦略」を問う。

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Question. 販売戦略は?

【共通質問事項】 (1)販売戦略は? (2)店頭でのアピール策は? (3)今後の取り組みは?

(上から)キヤノン IXY DIGITAL 930IS、カシオ計算機 エクシリム G


Answer.キヤノンマーケティングジャパン

岸谷慶二
デジタルカメラマーケティング部
デジタルカメラ商品企画第二課課長
(1)【販売】実勢価格が1~3万円台までの幅広い価格帯と、カメラにこだわりを求める人は「パワーショット」、デザイン性や手軽さを求める人には「IXY」といったユーザーを想定したターゲットマーケティングという二つの軸で展開していく。当社は、市場では男性寄りのイメージがまだあると感じている。今後はとくに「IXY」で「簡単」「楽しい」という面をアピールして、女性にも身近なメーカーになっていきたい。

(2)【店頭】機能面では撮影シーンを自動で認識して、キレイな写真が簡単に撮れる「こだわりオート」と「すっきりクリアフォト」を前面に出していく。IXYの主力機種「930IS」ではタッチパネルの便利さや、タッチパネルでのAFで被写体にピントを合わせ続けるという当社だけにしかない機能をアピールする。IXYはカラーバリエーションを見せる陳列でスタイリッシュな点、パワーショットは機能を訴求した展示を行う。純正のカメラケースも展示する。カメラに合うのはもちろん、デザインや素材にもこだわった高級感のあるケースだ。カメラとケースを一緒に並べることで、キヤノンのデジタルカメラのトータルイメージが演出できると思っている。

(3)【今後】「こだわりオート」を切り口に高機能モデルの魅力をきちんと伝える努力をして、このカテゴリの販売を伸ばしたい。同時に、低価格モデルでは販売台数の拡大に今まで以上に力を入れていく。単価アップと販売数量の両方を追うことで、トップを目指したい。


Answer.カシオ計算機

重岡正之
営業本部戦略統轄部
QV戦略部
次長
(1)【販売】「ハイスピード」「ダイナミックフォト」ともに新しい性能や楽しみ方の体感をキーワードに展開する。販売店以外の販促も積極的に行う。例えば「ハイスピード」は、少年野球やサッカーなどのスポーツイベントに協力し、試合の写真などを親や子供たちに見てもらうことでアピールする。「ダイナミックフォト」は、ショッピングモールなど、人が集まる場所で合成写真をプリントする実演デモを行うなどして認知度を高め、購入につなげる。

(2)【店頭】「ハイスピード」は店頭でさまざまなサンプル写真を見せたり動画を映すほか、動くルーレットなどを置いて実際に撮影してもらって性能を実感してもらう。一方、「ダイナミックフォト」ではサンプル写真や冊子、POPで使い方や楽しみ方を提案していく。

(3)【今後】米国で発売している「エクシリムG(ジー)」を、国内でも新シリーズとして投入する。これはカシオの腕時計「Gショック」の対衝撃性や防水機能を受け継いだカメラ。日常で使える防水や耐久性能に加え、高いデザイン性も兼ね備えており、「こだわり」や「カッコ良さ」をキーワードにして販売する。2010年は「ハイスピード」「ダイナミックフォト」に、この「エクシリムG」を加えた三本柱で展開していく。そして、それぞれのシリーズや機種で使用シーンの提案を核にしたプロモーションを行っていくことで、カシオのブランド力を上げるとともに、販売拡大につなげていきたい。
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