頂上熱戦

【頂上熱戦】「コンパクトデジタルカメラ」(上) キヤノンマーケティングジャパンとカシオ計算機

2010/01/14 18:45

週刊BCN 2010年01月11日vol.1316掲載

 本連載「頂上熱戦」では、2社のIT・家電メーカーに“同じ内容の質問”を投げかけ、その回答を紹介する。(上)では「製品戦略」を、(下)では「販売戦略」を問う。

Question. 製品戦略は?

【共通質問事項】 (1)自社製品の特長・強みは? (2)ターゲットユーザーは? (3)他社との差異化ポイントは?

(上から)キヤノンパワーショット S90、カシオ計算機ハイスピード・エクシリム EX-FC150


Answer.キヤノンマーケティングジャパン

岸谷慶二
デジタルカメラマーケティング部
デジタルカメラ商品企画第二課課長
(1)【特長】当社は薄型、軽量でスタイリッシュな「IXY DIGITAL」、機能や写真を撮る楽しみを提案する「パワーショット」を展開。この2ブランドで機能と価格帯でユーザーニーズに対応できる豊富なラインアップを揃えているのが特長だ。カメラメーカーとして長年培ってきた信頼や安心感というブランド力も他社にはない強み。製品も「高画質」をキーワードに時間をかけ、こだわって開発している。

(2)【ターゲット】IXYは現在30~40代が中心ユーザーだが、デザイン性などをアピールし、今後は20代の女性層も開拓していく。一方、パワーショットは、マニュアル操作ができる「S90」であれば写真にこだわる人やIXYからのステップアップユーザー、高倍率ズームの「SX20 IS」は旅行や運動会の撮影などのファミリーユースというように、機種ごとに対象ユーザーを想定した商品を展開している。

(3)【差異化ポイント】当社はデジタルカメラの中核技術であるレンズ、画像処理回路を自社開発し、低価格から高級機種にまで搭載。どのモデルであっても失敗のないキレイな写真を撮れることが一番のポイントだ。各社が競っているシーン認識機能でも、当社の機種は最大22まで分類が可能。より細かなシーンを認識できる。パワーショットの1部機種では高感度で白飛びや黒ツブレのない写真が撮影できる「すっきりクリアフォト」を搭載しており、他社とは違う、新しい写真の撮り方や楽しみ方を提案している。


Answer.カシオ計算機

重岡正之
営業本部戦略統轄部
QV戦略部次長
(1)【特長】当社はデジタルカメラ「エクシリム」で新機能と位置づける高速連写や高速動画機能「ハイスピード」を搭載した機種、写真合成機能「ダイナミックフォト」を搭載する機種をスタンダードモデルで展開する。ハイスピードは「これまで撮れなかったシーンが撮影できる」をキーワードに、連写の中からユーザーが一番と思う写真を選んだり、高速動画でスポーツのフォームをスロー映像でチェックしたりできる。一方、ダイナミックフォトは撮った写真を合成して楽しめる。これが最大の特長だ。

(2)【ターゲット】ハイスピード機種はカメラスキルの高いユーザーが中心で、一般の人にまで普及しているとはいえない。そこで、高感度のCMOSを採用し、キレイな写真とハイスピードが楽しめる新機種「FC150」を発売し、ユーザーの拡大を図っている。ただ、これで満足しているわけではなく、もっと一般の人に身近な製品に進化させていく。スタンダードモデルのターゲットは老若男女を問わないが、例えば電池寿命が長く高倍率レンズの「H-10」は「旅」、手軽にキレイな写真が撮れる「Z-450」は「オールラウンド」という風に用途ごとでセグメントして訴求していく。

(3)【差異化ポイント】「写真を撮った後の楽しみ方」を「ハイスピード」「ダイナミックフォト」でもユーザーに提案していることだ。連写で撮った写真で子供の表情の変化やペットの動きを確かめたり、合成機能で撮った写真を加工して遊んだりできる。ここが他社との大きな違いだ。


・(下)に続く
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