店頭流通

注目のPCパーツメーカー、コルセア 水冷ユニットが売り切れ続出

2010/01/07 17:00

週刊BCN 2010年01月04日vol.1315掲載

 国内・海外のPCパーツメーカーの販売代理店を務めるリンクスインターナショナルが、今最も押しているメーカー、それが、コルセアだ。もともとメモリに定評のある同社だが、2009年に発売した水冷ユニット「CWCH50」シリーズは、出荷した約1000台がたちまち完売。その後も店頭では品切れの状態が続き、12月までに5000台以上を販売した。

「CWCH50」シリーズは、クーラント液の蒸発がゼロに近く、補充する必要がない

 水冷は、ファンを利用して冷やす「空冷」に比べて効率的に熱を奪うことができるうえ、音が静かというメリットがある。しかし、水を循環させるポンプ、チューブ、放熱するためのラジエーターなど、すべてのパーツを用意すると数万円もかかる。さらに、設置が面倒、水漏れの心配がある、定期的なメンテナンスが必要など、初心者にはなかなか手が出せないものだった。

フロントパネルにはヘアライン加工を施したアルミ、フレームには頑丈なスチールを採用した
 「CWCH50」シリーズは「水冷の負の要素をすべて解決した製品」と、リンクスインターナショナル 広報部の岩田純一氏は語る。同製品はこれら必要なパーツを一つにまとめながら、1万円前後と求めやすい価格に抑えた。設置もラジエーターを120mmファンにネジで固定するだけと簡単だ。水漏れの心配がなく、メンテナンスの必要もない。競合製品は今のところ存在せず、高性能な空冷のCPUクーラーよりも冷却能力が高いことから、岩田氏は「これは売れると確信した」という。

 コルセアは、09年にPCケース市場にも初参入している。9月に発売したフルタワーの「CC800DW」は、熱が発生するスペースをマザーボード、電源、3.5インチベイの3エリアに分けることで、効果的に冷却できる「3チャンバー構造」を採用したほか、PCを起動した状態でHDDを抜き差しできるホットスワップベイを備えるなど、「初めて手がけたPCケースとは思えないほど、優れた出来」(岩田氏)。2010年には下位モデルの発売も予定しており、今後も注目のメーカーだ。(武井美野里)
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