店頭販売奮闘記

【店頭販売奮闘記】弥生(下) シェアトップで「信頼」を訴求

2010/01/07 18:45

週刊BCN 2010年01月04日vol.1315掲載

 このコーナーでは、店頭販売に注力するメーカーの販売第一線の動きを紹介する。(上)では各社の販売戦略や体制を、(下)では現場の奮闘ぶりを追う。

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堀川貴政 氏
マーケティング本部
リテール営業部
リテール営業課
 「業務ソフトは、単価が高いということもあって、買い渋るお客様が多い」。そこで、マーケティング本部リテール営業部リテール営業課の堀川貴政氏は、「まずは“安心”を前面に打ち出してきた」と話す。ユーザーからは、「実際に使えるかどうか」という質問から、「今使っているシステムの乗り換えはどうしたらいいのか」などさまざまな相談を受ける。自社製品で対応できない場合は、競合他社のソフトも紹介する。ユーザーのニーズを汲み取り、最適な製品を案内するのが同社の方針だ。堀川氏には、ひいき客がついている。「自分を気に入ってくれたお客様で、青色申告の時期には毎年、担当店舗にご来店いただいている。『ありがとう』という言葉がうれしい」。そんなユーザーの存在が励みとなる。

 量販店の店員には、製品の機能を説明するだけでなく、実際に操作を見てもらってレクチャーをするなど、コミュニケーションを大事にしている。堀川氏は、「弥生の製品の機能は充実しており、サポートもしっかりしている」と自信をみせる。ただ、「OSの対応や機能をパッケージに分かりやすく表記してほしい」といった要望が店頭からあがっていたため、パッケージの表記に反映。製品への興味を促し、カタログを手に取ってもらうスキームを描く。そのほかモニターを設置。映像で説明したり、PCでユーザーが操作できたりする環境も整えた。

 「棚づくりで心掛けているのは、常に手が届くように設置すること。店頭の接客がなくても手に取ってもらえるのが理想だ」(堀川氏)。店頭では、シェアが分かるようにPOP展開で「信頼」を訴求している。

 業務ソフトの販売本数シェアでは、競合他社の追い上げがあり、激しいトップ争いを繰り広げている。「トップシェアを維持するために頑張っていきたい。店舗でお客様に接する時間を増やす。繁忙期であれば、6~7時間は店舗に立つ」(堀川氏)。決して妥協はしない。そんな姿勢が弥生のトップシェアを支えてきた。(信澤健太)
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