頂上熱戦

【頂上熱戦】「PCケース」(下) アンテックとサイズ

2010/01/07 18:45

週刊BCN 2010年01月04日vol.1315掲載

 本連載「頂上熱戦」では、2社のIT・家電メーカーに“同じ内容の質問”を投げかけ、その回答を紹介する。(上)では「製品戦略」を、(下)では「販売戦略」を問う。

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Question. 販売戦略は?

【共通質問事項】 (1)拡販施策 (2)2010年の市場 (3)新製品



Answer.アンテック

岩田純一
リンクスインターナショナル
広報部
(1)【拡販施策】Webを活用して、ユーザーにアピールしてもらう場をつくり、プロモーションに活用する。例えば、アンテックのPCケースを使った自作PCの画像を投稿できるコミュニティサイト「アンテックマップ」とショールームを連動。自作PCをショールームに展示し、画像を「アンテックマップ」に投稿することで盛り上がってもらう。また、実機をプレスだけでなくユーザーやブロガーにも貸し出して、Webでレビューしてもらう。純広告という方法は採らず、なるべくひねりの利いた方法で訴求していきたい。

(2)【2010年の市場】PCケースの買い換え需要は減少するだろう。そのなかで、ユーザーのニーズに合った製品をどれだけ早く投入できるかがカギになってくる。年末施策と同様、ユーザーやメーカーとの強い関係を維持しながら、付加価値の高い製品を求めやすい価格で提供することで、買い換え需要を見出せるのではないかと考えている。

(3)【新製品】最近のユーザーを分析すると、大別して、静音性を突き詰めていく層とデザイン性を求める層に分かれる。2010年は、奇抜なデザインを採用したゲーマー向けの新製品の投入を予定している。また、2009年はMini-ITX対応製品を好んで買っていくユーザーが多かった。「静音かつMini-ITXに対応した製品が欲しい」というユーザーの声をアンテックにフィードバックしたところ、「検討する」という回答が返ってきているので、今後、展開する可能性もある。


Answer.サイズ

渡辺剛博 取締役
(1)【拡販施策】力を入れている製品については、パーツ専門店から大手量販店まで、取引先すべてに展示用の実動サンプルを配っている。日本のユーザーは、触れた感覚で購入するかどうかを判断する。店頭で展示品に実際に触れて、製品のよさを体感してもらいたい。

(2)【2010年の市場】経済状況の悪化から、ユーザーの財布の紐は固くなっている。また今後、自作PCファンの人口は、横ばいもしくは減少していくだろう。さらに、ユーザーのPCケースに対する嗜好は、2~3年で変わる。今、まさにその時期に差しかかっている。今後の市場のために、次の時代のトレンドをどういったかたちで提示するかが業界全体の課題だ。

(3)【新製品】自作PCの世界はマーケットが成熟し、ユーザーの目が肥え、「他人とは違うものを持ちたい」という人が増えている。そこで、インパクトのあるデザインの製品を投入して、商品価値を提示したい。ユーザーの嗜好を一つひとつ丁寧にすくい上げて、商品に反映させていくつもりだ。また、インテリアになじむMini-ITX対応の小型PCケースや、ATXの電源とマザーボードがすっぽり入るスリムケースにも力を入れる。とくにスリムケースは、余った部品の有効活用というかたちで訴求していきたい。これらは大きな商売にはならない。しかし、店頭で働いていたころの感覚を生かし、今後も珍しいもの、新しいものが入ってきた時のワクワク感をユーザーに訴え続けたい。
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