店頭流通

ソースネクスト 「超字幕」の映画タイトルは厳選で

2009/12/24 18:45

週刊BCN 2009年12月21日vol.1314掲載

 ソースネクストは、日本語・英語の字幕表示を自由に設定でき、映画を1本収録したソフトウェア「超字幕」シリーズのラインアップ構成を見直す。選定基準として、映画の知名度やレベル、語彙数など、英語学習の教材としての有効性を考慮。現在のところアクション中心のタイトルを数多く揃えているが、英語の学習目的で購入するユーザーが多いため、「今後は厳選して売っていく」(小嶋智彰・常務取締役セールスグループ担当執行役員)方針だ。

小嶋智彰 常務
 ソースネクストは、パラマウントデジタルエンターテイメントとワーナーエンターテイメントジャパン、Discovery Asia Inc.(ディスカバリー)の3社と業務提携している。パラマウントとワーナーの映画をUSBに収録した製品は一部を除き3490円で、ディスカバリーはDVD-ROM版で1980円の低価格設定となっている。「ハリー・ポッターと謎のプリンス」は4980円で、Blu-rayと同じ価格だが、「ユーザーは映像という付加価値を選ぶかどうか」(小嶋常務)。映画を楽しみたいユーザーにはBlu-rayを購入してもらい、英語の学習には「超字幕」を訴求。目的に応じて選択できると説明する。

 チャネルは量販店が中心だが、書店でも販売している。「年末の目玉商品にしていこうという量販店からの声も結構ある」(小嶋常務)。学校の授業や図書館などでも需要が見込めるという。

 「超字幕」の製品誕生のきっかけになったのは、一本の電話だった。パラマウントの日本代表から直接、映画コンテンツを「USBに入れて売らないかという提案があった」(小嶋常務)そうだ。パラマウントの本社に出向き、松田憲幸社長がプレゼンテーションなどを重ねた。不正コピーして大量販売することができないようにシリアルナンバーでガードし、5回までしかインストールできないといったセキュリティ上の制限が「映画会社から評価された」(小嶋常務)とみている。

 きっかけだけにとどまらず、「超字幕」は、開発・販売の経緯でも同社の従来製品とは大きく異なる。自社で企画し、開発は協力会社に任せるというのが従来の方式。小嶋常務は、「『超字幕』はまったく新しい製品だったため、相当つくり込んだ」と、この製品にかける意気込みを語る。

 「普通、発売してから半年も経てば、店頭から消える。しかし、『超字幕』は競合製品がなく、定期的にラインアップを増やしている」(小嶋常務)。目下の目標は、現在ある75タイトルを100タイトルまで拡充すること。小嶋常務は目標達成について、「当初は来年3月末を見込んでいたが、少し前倒しできるのではないか」と期待を込めて語る。今後はPCだけでなく、iPhoneでの提供も目指したいとしている。(信澤健太)
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