頂上熱戦

【頂上熱戦】「PCケース」(上) アンテックとサイズ

2009/12/24 18:45

週刊BCN 2009年12月21日vol.1314掲載

 本連載「頂上熱戦」では、2社のIT・家電メーカーに“同じ内容の質問”を投げかけ、その回答を紹介する。(上)では「製品戦略」を、(下)では「販売戦略」を問う。

Question. 製品戦略は?

【共通質問事項】 (1)シェア獲得の要因 (2)製品の魅力 (3)年末に向けての施策

(左から)アンテック「THREE HUNDRED AB」、サイズ「SCBC02-WH-GR」


Answer.アンテック

岩田純一
リンクスインターナショナル
広報部
(1)【シェア獲得の要因】付加価値の高いアンテックの静音PCケースを多くのユーザーに知ってもらうため、雑誌やWebなどで積極的にマーケティング展開した。また、こちらから伝えるだけではなく、アンテック製品のショールームや自作PCの画像などを投稿できるコミュニティサイト「アンテックマップ」でユーザーのコミュニティを形成。スタッフがイベントを企画してそれらを盛り上げると同時にユーザーの意見を拾い上げ、製品に反映してきた。例えば、2009年9月19日に日本限定で発売した「THREE HUNDRED AB」は、PCの自作ユーザーから「ケースの内部も黒くしてほしい」という要望を受け、外装から内部までオールブラック塗装で仕上げたもの。アンテックには、ユーザーの意見を聞き入れる体制ができている。

(2)【製品の魅力】「VIP」、すなわち「V」(バリュー)、「I」(イノベーション)、「P」(パーフェクション)をユーザーが体感できるような製品を提供している。スケルトンケースなど斬新なデザインを採用したり、静音ケースをPCケース市場に初めて投入したりと、革新的なアイデアを製品に盛り込んできた。現在はゲーミングPC向けの「HUNDRED」シリーズと、静音PCケース「P」シリーズが主力製品となっている。

(3)【年末に向けての施策】9月からPCケース全般の価格改定(値下げ)を行った。ユーザーのさまざまなニーズに対応し、付加価値の高いケースをより安い値段で提供していく。


Answer.サイズ

渡辺剛博 取締役
(1)【シェア獲得の要因】当社には、PCショップの店員として働いていた経歴をもつ社員が多い。そのため、ユーザーの嗜好の移り変わりをみてきた店員時代の経験を生かし、トレンドをいち早くキャッチして商品に反映することができる。シェア獲得はユーザー目線で商品を投入し続けてきた結果だと思っている。また、「ユーザーの不便な思いをすぐに解消する」というコンセプトのもと、コストは気にせずに、壊れた製品はすぐに交換して対応してきた。サポート体制を固めることで、販売員が製品を薦めやすいようにしている。

(2)【製品の魅力】魅力的なデザインで電源付きというまとまりのある製品を、1万円程度の価格帯でラインアップしていることが“売り”だ。自社製、他社製にはこだわらず、社員がユーザー感覚で良いと思ったものを推薦している。

(3)【年末に向けての施策】11月から年末まで、売れ筋のPCケースに、付加価値の高いプラグイン方式の電源を搭載して販売するキャンペーンを行っている。この方式の電源はユーザーが必要数に応じてケーブルコネクタを着脱できることがメリットで、対象製品は「SCY-0311FE-BK(WH)-GR」「SCBC02-BK(WH)-GR」「DENIRO-BK(WH)-GR」の3製品。電源付きのPCケースでこういった付加価値の高い電源が搭載された例はこれまでなく、ぞれぞれを個々に買うよりかなりお得だ。立ち上がりは好調で、PCケース全体で昨年対比2割増しの売り上げを目指している。


・(下)に続く
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