店頭流通
<特別企画>「Windows 7」に大きな期待 ソフトウェアベンダーの対応ぶり
2009/12/17 18:45
週刊BCN 2009年12月14日vol.1313掲載
慎重な見方を崩さないベンダーも
Windows 7対応を訴求ソースネクスト 小嶋智彰常務 |
小嶋智彰・常務取締役セールスグループ担当執行役員は、Windows 7ではマルチタッチ機能など新たに実装された機能があり、「Windows 7のユーザビリティを生かしたソフトウェア開発をしなければならない」と前置きをしつつも、「まずは主力製品をきちんとWindows 7に対応させていく。対応保証版は、業界で一番早く打ち出してきたと思っている」と胸を張る。「ユーザーの立場からすれば、対応していることをきちんと謳ってもらわないと、怖くて買えないからだ」。同社のコアターゲットは初心者ということもあり、対応保証版のロゴで長く使えるという安心のイメージをもたせることに注力する。
ジャングル 松下豊彦部長 |
互換性の問題については、「対応版をリリースすることで、消費者に混乱を与えないようにしたい」と、既存製品の検証を進め、ホームページで公開。セキュリティソフト「G Data」や年賀状作成ソフト「筆ぐるめ」などはすでに事前検証を済ませ、Windows 7対応を確認している。
一過性のブームかどうか
ソフトウェア市場は厳しい状況が続いてきたが、ソフトバンクBBの溝口泰雄・取締役常務執行役員コマース&サービス統括は、「Windows 7につられるかたちで、状況はよくなってきている。マイナスだったところが前年比でトントンくらいになった。ただ、このブームは一過性のものなのかどうかを見極めなければならない」と、笑顔を見せつつも慎重な姿勢を崩さない。ジャングルの松下部長も、「日本全体のソフトウェア市場が冷え込んでいる」として、Windows 7は縮小傾向が続くソフト市場の底上げには必ずしも繋がらないと、懐疑的な見通しを立てている。
ソースネクストの小嶋常務は、Windows 7の発売直前に「新しいOSの登場が、PCソフトを買い替えるきっかけになることは間違いない」と太鼓判を押していた。実際に“Windows 7特需”に沸いており、とくにセキュリティソフトなどをネットで購入するユーザーが多いという。「Windows 7の発売前までは買い控えがあったこともあり、ここへきて関連ソフトが急激に伸びた」と分析。今後は、「じっくり品定めしたいユーザーが量販店に戻ってくるだろう」と期待を込めて語る。ユーザーが量販店に足を運ぶように、年末・ボーナス商戦に向けて施策を練っている段階だ。
ソフトウェアの店頭販売は縮小傾向にあり、ベンダーにとっては厳しい状況だが、営業責任者の多くは口を揃えて「量販店は大事だ」と強調する。「この分野は、やり方によっては伸びる。ユーザーが店頭で見て買うというボリュームはまだまだ大きい」(ソフトバンクBBの溝口常務執行役員)。
Windows 7を足がかかりに、いかに市場を盛り上げていくかは、業界全体の課題だ。
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