頂上熱戦

【頂上熱戦】「ネットブック」(下) ASUSと東芝

2009/12/17 16:51

週刊BCN 2009年12月14日vol.1313掲載

 本連載「頂上熱戦」では、2社のIT・家電メーカーに“同じ内容の質問”を投げかけ、その回答を紹介する。(上)では「製品戦略」を、(下)では「販売戦略」を問う。

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Question. 販売戦略は?

【共通質問事項】 (1)ノートPCも含めた販売戦略 (2)店頭でのアピール策 (3)年末商戦も含めた今後の取り組み



Answer.ASUS

生松智明
チャネルマネージメントディビジョン
チャネルマネージメント部長
(1)【販売戦略】「Eee PC」の名はかなり認知されてきたが、まだまだ「Eee PC=ASUS」にはなっていない。Eee PCブランドをいかにASUSに結び付けるかというのが、今のチャレンジだ。最終ゴールは、CULV(超低電圧版CPU)ノートを通じてノートPCのセグメントでシェアを伸ばしていくこと。そのためには、いま数機種で展開しているCULVノートのUL20を、ネットブックのように、ユーザーニーズに合わせて20機種近くまでの展開にすることがポイント。

(2)【アピール策】ネットブック売り場では、ASUS製品のラインアップをいかに多く見せるかに注力している。ラインアップが多く、製品ごとに提案できる利用シーンが異なるという点が生きてくる。また、販売店に対してASUS製品に関するトレーニングを実施しているほか、各モデルの特徴を記した冊子を配布。ここには製品の話だけでなく、ASUSがどのような会社なのかも解説してあるので、お客様への説明に活用してもらっている。

(3)【今後の取り組み】年末商戦では店頭でのアピールを強化し、什器の設置や店頭イベントなどを仕掛けていく。今までもやってはいたのだが、いずれも店頭レベルや代理店経由のもので、ASUSとして大きく取り組むのは初めてだ。また、来年は販売店との関係を強化していくことが目標。そのための部署を今年立ち上げたほか、大阪に営業所を設置した。これらを中心に、まずは販売店本部との関係を強化し、その後各店舗との連携を深めていきたい。


Answer.東芝

杉野文則
PC第一事業部
PCマーケティング部
マーケティング担当
参事
(1)【販売戦略】ユーザーニーズの多様化を受けて、dynabookシリーズは、BDドライブ搭載のAVモデルからコンパクトで堅牢性の高いモバイルモデルまで、全方位で展開している。これはネットブックでも同様で、Office搭載モデルやWiMAX対応モデルなどを用意し、「このなかにあなたの一台が必ずあります」という売り方だ。利用したいと思っていただけるような商品を作り、提案していくというスタンスなので、具体的な利用のシーン提案が重要になる。

(2)【アピール策】店頭では、製品にそれぞれの特徴を記したPOPを付けて選びやすくしているほか、テレビCMにも店頭を応援するCM、ネットブック単体のCMを用意するなど、さまざまな切り口から製品の浸透を図っている。また、お客様に安心して買っていただけるよう、製品に収録した操作ガイドや、スタッフによる電話サポート、遠隔の有料個人レッスンの「3つの安心」を前面に打ち出し、Webやカタログで周知を図っている。

(3)【今後の取り組み】Windows 7の浸透などによって盛り上がる年末商戦では、PCの購入意欲があるお客様に対して、ネットブックもA4ノートも、そのモデルがどんな特徴をもっているのかをきちんとお伝えすることで、その方に合った一台を提供していきたい。また、今後はCULVノートのMXの「ネットノート」というカテゴリを打ち出していく。単にCPUの違いではなく、ネットブックとの使い方の違いをどんどん提案し、市場を盛り上げていきたい。
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