店頭販売奮闘記

【店頭販売奮闘記】日本エイサー(下) どの製品を置けば集客できるか

2009/11/19 18:45

週刊BCN 2009年11月16日vol.1309掲載

 このコーナーでは、店頭販売に注力するメーカーの販売第一線の動きを紹介する。(上)では各社の販売戦略や体制を、(下)では現場の奮闘ぶりを追う。

(上)から読む

亀梨健介
事業支援部
マーケティング部
チャネルマーケティング課
 日本エイサーが女性向けの啓蒙活動として力を入れている「デコパソ」キャンペーンは、対象製品を購入した人のなかから抽選で「オリジナルデコ」などが当たるというもの。携帯電話に代表されるように、デジタル機器を自分好みに仕上げて気分を盛り上げたいという女性の心理を突いた取り組みだ。ただし、実際にデコレーションしたPCを販売するのではない。

 この取り組みに共感したある販売店では、パソコン売り場に携帯電話用のデコレーションシールなどのパーツを置いた。すると、デコレーションパーツを購入していく客が出てきたという。販売店での「デコパソ」の取り組みについては、キャンペーンのチラシを置くことが中心だったが、今後は訴求する機会を増やしていきたい考えだ。

 こうした事例など、実際に販売店とのリレーションシップを図っているのが、事業支援部マーケティング部チャネルマーケティング課の亀梨健介氏だ。チャネルマーケティング課では、エリアや販売店によって異なる売れ筋の傾向を分析し、それぞれに適したPOPを作成するなど、細かい工夫を凝らしている。ただ、それが必ずしも販売店の求めているツールとは限らない。前職で量販店の販売スタッフの経験を積んできた亀梨氏は、課内で考案した販促物に対して「これでは販売店に使ってもらえない」と、売り手の目線で指摘することもあるという。

 販売店の目線で什器を設置したり、配布物を作成することに加え、販売店を訪問する際には、「この店にはどの製品を置けばブレークスルーするのか。何が必要なのか」ということを常に念頭に置く。

 とはいえ、メーカーと販売店の両方の経験をもちながらも、「販売店とのリレーションシップの構築は、一日や二日でできることではない」。積み重ねが成果に繋がる。「腰を据えて取り組む」ことで、幅広い展開に結びつけていくことを目指している。(田沢理恵)
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