店頭流通

ヤマダ電機、国内最大の池袋店を公開、年商800億を目指す

2009/10/29 18:45

 大手家電量販店のヤマダ電機は10月29日、10月30日にオープンする「LABI(ラビ)1 日本総本店 池袋」(東京・豊島区)の店舗を開店に先駆け報道陣に公開した。一宮忠男社長兼執行役員COOは、説明会で改装している池袋店と併せ「初年度で800億円の売上を達成する」とぶち上げた。

10月30日にオープンする「LABI1 日本総本店 池袋」

 「LABI1 日本総本店 池袋」は、大手百貨店の三越が5月に閉店した池袋店の跡地に出店した店舗で、売り場面積は地下2階から地上7階で2万3000平方メートル、扱う商品は150万点と、家電量販店では国内最大規模を誇る。

ヤマダ電機の一宮忠男社長兼執行役員COO

 一宮社長は池袋選んだ理由について「日本の商業圏は新宿、渋谷と言われているが、池袋は1日270万人もの乗降客がいる。それだけ大きなマーケットがある」と強調した。

 店のキャッチフレーズは「この店を見ずして、家電は語れない」。地下2階には日用品、医薬品、加工食品、化粧品、地下1階は美容や照明器具を販売。店の顔になる1Fには薄型テレビ、レコーダーのみを展示する。

店の入り口1Fでは薄型テレビとレコーダーのみを販売

地下2階の資生堂の製品を中心に販売する化粧品コーナーには初の対面接客カウンターも設けた

 2Fは携帯電話、デジタルカメラ、オーディオ、3Fはパソコンソフト、4Fはパソコン、パソコン周辺機器、プリンタ、5Fは冷蔵庫やエアコンなどの白物家電、6Fはブランド品やCD・DVDソフト、玩具がフロア構成する。

LED照明売り場では各社の製品の違いをお客に体験してもらう並列展示を実施

3Fには法人営業専門のコーナーも設けた

 7Fには飲食店フロア、屋上にはアディダスのフットサルコートと都内型店舗では初の施設も設けた。一宮社長は「当社のノウハウ全てを結集した。この店を見れば日本の家電のすべてがわかる」と自信をみせた。

 同店は「世界最大級の品揃え」「丁寧な接客」「効率的なポイント利用とリーズナブルな価格」「地球にやさしい商品の充実」をコンセプトに掲げる。

 ユーザーサービスでは、とくに商品を実際に試せる「体験コーナー」を設置。「特に都市部のお客は見る目が厳しい。広い売り場を使って商品を触ってもらうことに力を入れた」(一宮社長)。具体的には各メーカーの掃除機を四畳半ほどの畳やカーペットのスペースで使って比較できるコーナーや実際の部屋に近い感覚でエアコンを体験できるコーナーを設置。

各メーカーの掃除機を畳やカーペットで試せる実演コーナー

 炊飯ジャーなどのキッチン家電・用品を試せる「調理実演コーナー」も設けた。調理コーナーでは白米を炊いて試食もできる。こうしたコーナーはヤマダ電機で初だという。

炊飯ジャーなどのキッチン家電・用品を試せる「調理実演コーナー」

 そのほか、社員が発案しデザイナーと組んでパソコンやケータイ、携帯オーディオなどをデコレーションする同社初のサービスコーナー、有料で子供が風船や機器で遊ぶことができる「キッズランド」も設置。「ニューファミリー層、高齢者層、若者層と池袋の幅広いお客さんが1日楽しめる店にした」(一宮社長)。

社内から選抜した社員のアイデアを元にしたデコレーションサービスの展示

1時間600円で子供が遊ぶことができる「キッズランド」

 「LABI1 日本総本店 池袋」を出店する一方で、07年に開店した「LABI 池袋店」は携帯電話と携帯オーディオ、ゲーム機器・ソフト、アニメ「ガンダム」の関連商品を販売する「LABI1 池袋モバイルドリーム館」として11月6日にリニューアルオープンする。

「LABI1 池袋モバイルドリーム館」として改装が進むLABI池袋店(右)とビックカメラ池袋本店

 ヤマダの池袋“再上陸”に対し競合店舗も迎撃体勢を整えている。ビックカメラは10月22日に池袋の3店舗をリニューアルオープンした。

「LABI1 日本総本店 池袋」オープンを前にリニューアルを声高に叫び集客を図るビックカメラ店員

 東口総合館は「ビックカメラ アウトレット」としてアウトレット品を販売する専門館に業態転換。子会社のソフマップの中古販売も展開し対抗する。「ヤマダの出店は脅威だが、池袋の活性化にはつながる」(ビックカメラ)というが、現状ではどれほどの客を食われるのか、その動向を戦々恐々で見守っている状況だ。
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外部リンク

ヤマダ電機=http://www.yamada-denki.jp/