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シャープ 液晶テレビのLED化進める 録画対応モデルでは来年中に採用

2009/10/22 18:45

週刊BCN 2009年10月19日vol.1305掲載

 シャープはバックライトにLEDを採用した液晶テレビのラインアップを順次拡大していく。「2012年には、ラインアップの大半をLEDにする」(松本雅史・代表取締役兼副社長執行役員)方針だ。このうち録画機能を搭載したシリーズでは「2010年中に採用」(中村恒夫・執行役員AVシステム事業本部長)することを明らかにした。

 シャープは9月29日に、新開発の液晶パネル技術「UV2A」とバックライトにLEDを採用した液晶テレビ「LED AQUOS LXシリーズ」を発表。40、46、52、60V型を11月に発売する。この年末向けに投入するLED採用モデルは、今回発表の「LXシリーズ」のみだが、来年以降、順次展開し、将来的にすべての液晶テレビのバックライトをLEDに切り換える方針。LED採用モデルのグローバル展開も図る。

 松本副社長は、「調査会社のディスプレイサーチによると、市場全体では2010年度に10%、11年度に22%、12年度に32%の液晶テレビがLED化するという見通しを出しているが、当社はこの予測の2~3倍のスピードで進める」と、LED採用を加速する意気込みを示す。

 普及価格帯のラインアップでのLED採用も進め、録画機能を搭載したシリーズについては、「2010年中にLED機を投入する」(中村AVシステム事業本部長)計画だ。

シャープは、2012年にはラインアップの大半にLEDを採用する

 LEDは、少ない電力で効率よく発光できることから、「液晶テレビのバックライトとしては理想的」(中村AVシステム事業本部長)とされる。今回発表した「LXシリーズ」の46V型の消費電力は、前の機種と比べて35.6%削減できるとしている。

 省エネ効果が高いLEDは、主流のCCFLに代わるバックライトとして注目されており、昨年からシャープやソニーが上位モデルの一部に採用している。今年は、東芝も年末向けにLEDを採用した液晶テレビを投入する。現在は各社とも上位モデルでの展開だが、来年以降、ラインアップの拡大が進むとみられる。(田沢理恵)
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