店頭流通

ソニー ウォークマン、年末商戦はAge15がターゲット

2009/10/13 18:45

週刊BCN 2009年10月12日vol.1304掲載

 ソニーは携帯オーディオ「ウォークマン」で、2009年年末商戦は15~18歳をターゲットにした販売に注力する。これまでは「Around 18」と呼ばれる高校生・大学生を対象に販売展開をしてきたが、携帯オーディオのユーザーが若年化していることから、中学生にまで年齢層を拡大。シェアトップのiPodを追撃する。

すそ野広げ継続ユーザー獲得へ

 09年年末商戦のターゲット層では、とくに15歳のユーザー獲得に力を入れる。ソニーの独自調査で「中学生の50%が携帯オーディオを持っており、ユーザーが若年化していることがわかった」(立松聖司・ソニーマーケティング コンスーマーAVマーケティング部門パーソナルAVマーケティング部パーソナルミュージックエンタテインメントMK課統括課長)のが理由。この年代層が初めて手にする携帯オーディオをウォークマンにすることで、「ファンになってもらい、買い替えにつなげる」(同)狙いもある。

 ソニーは、10月から年末商戦に向けて新型ウォークマン「Sシリーズ」9機種と「Aシリーズ」3機種を投入する。軸となるのは「Sシリーズ」(実勢価格:1万4000~2万5000円)で、若年層ユーザー獲得の切り札として音楽に合わせて歌詞を自動で表示する機能を搭載した。

 ソニーは、全国2000人の中学・高校生を対象に携帯オーディオの調査を実施。「その年齢層が、歌詞に対する共感や思い入れが非常に強い」(ソニーマーケティング パーソナルAVマーケティング部パーソナルミュージックエンターテインメントMK課の遠藤莉美氏)という結果を得たことから歌詞表示機能を取り入れた。若年層ユーザーでは、親が子供に買い与えるケースが多い。そこで、「親御さんへの説得材料になる」(立松統括課長)として「Sシリーズ」では再生スピードコントロールやリピートなどの語学学習機能も盛り込んだ。

 一方、「Aシリーズ」(実勢価格:2万4000~4万円)では大学生や社会人の新規購入やウォークマン使ってきたユーザーの買い替え需要を狙う。こちらも歌詞機能を搭載し、厚さ7.2mmの薄型サイズに仕上げ、2.8型の有機ELディスプレイも搭載した。

ソニーが10月から販売する「Sシリーズ」(左)と「Aシリーズ」

 ソニーでは店頭でウォークマンを薄型テレビと接続し、歌詞表示機能のデモを大画面で見せることで新機能をアピールする。量販店を中心に販売し、若年層開拓に向けたキャンペーンを展開していく計画だ。(米山淳)
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