Close UP New Products
<Close UP New Products>No.4 動画機能付きデジタル一眼(上) 売り場の感触
2009/10/07 16:51
週刊BCN 2009年10月05日vol.1303掲載
購入を後押しする要因薄い
2008年9月にニコンが世界で初めて動画撮影機能を搭載した一眼レフ「D90」を発売。以降、同年11月には、キヤノンがEOSシリーズで初めてフルHD動画撮影機能を搭載した「EOS 5D Mark II」を発売した。しかし、これらの機種は中級者以上をターゲットにした製品であり、動画撮影については、ピント合わせなどのテクニックが必要になる。そのため、初心者が手軽に動画撮影をするといった位置づけではなかった。その後、今年4月24日にパナソニックがフルHD動画撮影機能を搭載した「DMC-GH1」を発売。世界で初めてフルタイムオートフォーカスを備え、初心者でも扱いやすくした。さらに、キヤノンが同時期にフルHD動画撮影機能を搭載した「EOS Kiss X3」を、5月にはニコンが「D5000」を発売。今年4月以降、動画撮影機能を搭載した入門機が続々と登場したことで、一般ユーザーの間で注目度が高まった。CMの効果などもあり、店頭での認知度も高まってきている。
しかし、話題には上っているものの、売り場では、キヤノンやニコンの動画機能について「旧機種との違いを説明する際の比較材料」という見方が多く、「動画機能が付いたことで購入を促進しているという実感はない」(ベスト電器・日吉東急店の飯澤誠士・係長)という声もある。パナソニックの「GH1」は、「ムービー一眼」を謳っているだけに、他社製品との差異化機能として動画機能を説明している。デジタル一眼市場が拡大している要因として、動画撮影機能はあまり効いていない、というのが実情のようだ。
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