店頭流通

レノボ・ジャパン コンシューマ向けPC販売を本格化

2009/09/18 18:45

週刊BCN 2009年09月21日vol.1301掲載

 レノボ・ジャパンは、ノートPC「IdeaPad」シリーズのラインアップを拡充し、日本市場でコンシューマ向けPC販売を本格化する。今後は、デスクトップPCの投入も視野に入れ、コンシューマをターゲットとした販売強化を図る狙いだ。中国から来日したレノボのウェイ・ジュンIDEA製品グループバイス・プレジデントに今後の展開を聞いた。(聞き手=田沢理恵)

モバイル性と充実機能に自信

 ──日本のパソコン市場に本格的に参入する理由は?

 参入するにあたり、まずはネットブックを投入することで、日本のコンシューマ市場の反応をうかがいたいと考えて、昨年12月に「IdeaPad」第一弾製品としてネットブックを発売した。結果、「IdeaPad S10e」が、今年1月から9週間連続でトップシェアを獲得した。こうした成功体験から、日本市場での販売強化を加速することにした。グローバルで販売台数をみると、日本はトップ5に入る規模。力を入れていくべき市場だ。

 ──市場では、どのような展開をしていくのか。

 9月の新製品投入で、「IdeaPad」シリーズは16ラインアップに広がる。ネットブックだけで展開するのではなく、幅広い選択肢と特徴のある製品を投入する。インテルの超低電圧版(ULV)プロセッサを採用をすることで、長時間バッテリ対応でモバイル性と、ネットブックよりも高いスペックを備えた「Uシリーズ」には、とくに自信をもっている。昨年のPC市場はネットブックが注目されたが、今年は、この「Uシリーズ」のように超低電圧版プロセッサを採用した製品が台頭するだろう。

 ──日本のコンシューマPC市場は競争が激しい。どのように強みを出していくのか。

 参入メーカーが増え、ユーザーの選択肢も広がっている。コンシューマ市場で軸になるのは、効率よく新製品を投入していくことだ。そのための体制は整えた。新製品は半年のスパンで投入していきたい。細かいバージョンアップなら、3か月間隔くらいが理想だと考えている。

 ──これから先のPC業界をどうみているか。

 昨年の世界同時不況によるIT企業への影響は大きかった。当社も影響を受けた。法人ビジネスは、企業のコスト削減の打撃を受けたほか、一般消費者の価格意識が過敏になったことで、個人向け販売も煽りを受けた。こうした状況に対応するために、組織を見直し、製品開発の効率化を図ってきた。しかし、今年4~6月の世界の動きをみると回復の兆しが現れている国もある。PC業界では、Windows7やWiMAX、超低電圧版プロセッサの登場が追い風だ。業界には楽しみの多い年になるだろう。
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