頂上熱戦
【頂上熱戦】「BDレコーダー」(上)
2009/09/15 18:45
週刊BCN 2009年09月14日vol.1300掲載
Question. 製品戦略は?
【共通質問事項】(1) 市場のトレンドとニーズをどうみているか(2) 製品の差別化ポイントは?(3)製品の今後の方向性は?
Answer.シャープ
(1)【市場】レコーダーの機能として、長時間録画機能がトレンドとなっており、当社は現在7倍に対応している。しかし、大切に保存しておきたいコンテンツを7倍モードで残すという使い方はあまりないだろう。長時間モードは、録画の選択肢を広げるために進化していく機能として捉えている。
(2)【差別化】2001年に発売した初代機からこだわり続けている「MPEG-4AVC/H.264トランスコーダー」方式の採用により、テレビ番組を長時間モード(2/3倍)で録画した場合でも、サラウンド音声や番組連動データをそのまま記録できる。つまり、スポーツ番組で配信されるスコアや選手成績などの番組連動データや洋画の二重音声も記録できる。この性能は大きな強みだ。
(3)【方向性】当社のレコーダーは、液晶テレビ「アクオス」ユーザーのすべてがターゲットだ。そのため、アクオスとの連携機能に重点を置いてきた。その一方で、テレビ以外の機器との連携が課題だった。当社のラインアップにはないビデオカメラと接続したいというニーズが大きい。そのため、今年の春モデルでAVCHD方式のハイビジョンビデオカメラとの接続に対応し、映像をBDに保存できるようにした。そのほか、当社製の携帯電話の一部の機種では、録画した番組を転送し、ワイドVGA30コマで視聴できるようにした。周辺機器との連携については、「ダビング10」の新たな活用法としても推進していきたい。
Answer.ソニー
(1)【市場】当社(ソニー)の調べでは、BDレコーダーの世帯普及率は5%程度。一方、VHSの世帯普及率は80%。VHSから一気にBDレコーダーに買い替える動きが見込まれる。そのため、ビギナーや機械に強くない人でも、説明書を読まなくても使いこなせるほどの簡単な操作性を追求している。
(2)【差別化】この秋発売の新製品全機種に、「らくらくスタートメニュー」を搭載した。画面に表示される「番組を録画予約する」「(ビデオデッキと接続して)ダビング」などをリモコンで選択するだけでそれぞれの操作が簡単にできる。このように手順を画面上でガイドする機能は強みの一つだ。VHSのコンテンツをBDに残すための機能として自信がある。そのほか、一部機種ではBDレコーダーとして業界で初めて「スカパー!HD」の録画に対応した。これも差別化できる大きな強みだ。
(3)【方向性】今回発売の新製品全機種にはUSB端子を搭載した。ハンディカムやデジタルカメラを繋いで「カメラ取込みボタン」を押せば、映像をHDDに取り込めるほか、HDDに録画した約1時間の番組をウォークマン、PSPに約2分で高速転送できる。このようにコンテンツを他の機器に転送して持ち出せる機能は、他社に先駆けて取り組んでいた。今後発売される予定のauやNTTドコモの携帯電話、ポータブルナビゲーションシステム「“nav-u”(ナブ・ユー)」の新モデルにも転送可能になる予定だ。一方、HDDの増設には対応していない。これについては今後の課題だ。
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