店頭流通
<OVERSEAS REPORT from San Francisco>米アップル “技術者向け”イベント開催 iPhoneはより高速化
2009/07/06 18:45
週刊BCN 2009年07月06日vol.1291掲載
速度が向上した「iPhone 3GS」
WWDCの会場「Moscone West」は、街の中心地、ユニオン・スクエアから1kmほどの場所にある。基調講演を聴くため、建物の周囲には早朝から参加者の長い列ができていた。搭載する300万画素のデジタルカメラでは、写真(静止画)のほかに動画も撮影でき、タイムラインを表示して編集することもできる。このほか、電話番号や人名を読み上げれば電話をかけられる「ボイスコントロール」機能、ユーザーの進行方向に合わせて地図の向きを自動的に変えてくれる「デジタルコンパス」機能も追加した。
「iPhone 3GS」には、新OS「iPhone OS 3.0」を採用している。テキストのコピー&ペースト、本体内のデータを横断的に検索できる機能などが盛り込まれた。既に「iPhone 3G」や「iPod touch」向けのダウンロードを開始している。
Macはノート型を拡充
Macの新しいラインアップも披露された。今回発表したのはノート型で、「MacBook Pro」に新たに13.3型ワイド液晶搭載モデルを追加。このほか、従来モデルと同様の画面サイズ15.4型、17型ワイド液晶搭載モデルと、薄型・軽量ボディで13.3型ワイド液晶を搭載した「MacBook Air」の性能を強化した。「MacBook Pro」の15.4型、17型ワイド液晶搭載モデルは、従来モデルから価格を引き下げた。また、13.3型、15.4型ワイドモデルには、SDカードスロットを新たに搭載し、SDカードをそのまま本体に直差しできるようになった。
さらに、次期OS「Mac OS X Snow Leopard」も発表。64ビットをサポートし、メールやWebブラウザ「Safari」などがより快適に動作するようになっている。また、ビジネスシーンでスケジュールを管理しやすい機能「Microsoft Exchange Server」を標準でサポートした。
講演の最中には、製品の詳細なスペックや価格が発表されるたびに大きな歓声と拍手が沸き起こり、会場は盛り上がりを見せた。
市内のアップルストアは盛況
基調講演の翌日は、サンフランシスコ市内のアップルストアを訪問した。店舗は目抜き通りのマーケットストリートと4thストリートの交差点の角にある。平日の昼間にもかかわらず、店内は年齢・性別を問わずさまざまなお客で込み合っていた。1階は吹き抜けになっており、ガラス張りの屋根からは明るい光が差し込み、開放感がある。入り口近くには、新顔の「MacBook Pro」13.3型ワイド液晶搭載モデルが並ぶ。実機はすべて来店客で埋まっており、ユーザーの食いつきはよいようだ。
2階のシアターでは、ちょうどiPhoneの使い方についてのワークショップが開かれていた。このフロアにはシアターのほか、iPod向けのヘッドホン・イヤホンやスピーカーなど周辺機器のコーナー、相談窓口が置かれている。
印象的だったのは、店員がお客に丁寧に説明をしている姿だ。こうした光景は、日本のアップルストアでも同様に見られる。店員を通じてユーザーの一人ひとりに製品のよさを伝えるという姿勢もまた、アップル製品が強く支持されている理由の一つだ。
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