店頭流通
ソニー ICレコーダーで2年ぶりトップ USB端子つきの低価格モデルが好調
2009/01/05 16:51
週刊BCN 2009年01月05日vol.1266掲載
低価格の新モデルがヒット
08年の9月と10月にソニーが相次いで投入した1万円を切る新モデルが好調で、メーカーシェアを押し上げた。同社広報では「低価格ながらUSB端子を装備するのに加え、録音方式にMP3を採用した点が人気を集めている」と分析している。しかし、12月第1週(12月1~7日)時点での販売台数シェアは、ソニーが38.3%、オリンパスが37.5%と僅差。激しいシェア争いは続いている。一方、販売金額シェアでは、オリンパス36.2%、ソニー33.6%と依然としてオリンパスが首位を守っている。ソニーの低価格戦略が、まず台数でオリンパスの牙城を崩したことになる。
売れ筋はUSB端子搭載モデル
12月第1週の機種別販売台数シェアトップ10では、ソニーの新モデルが4機種ランクインしたほか、オリンパスが5機種、三洋電機が1機種という顔ぶれ。1位はソニーが08年10月に発売した「ICD-UX71(S)」で8.5%。本体にUSB端子を搭載し、ケーブルなしでPCと接続できるのが特徴。容量は1GB。2位は、08年8月発売のオリンパスのエントリーモデル「VN-3200」で8%。液晶画面と操作ボタンが大きく、初心者でも使いやすい。なお、録音したデータをPCに転送することはできない。容量は128MB。3位もオリンパスで、07年3月発売の「V-51」。シェアは7.2%。1位の「ICD-UX71」と同様USB端子を搭載し、直接PCとつなげる。容量は1GB。
1万円未満の製品が6割に
ソニーの新しいエントリーモデルは、平均価格にも影響を与えている。08年1月に1万3000円程度(税別、以下同)だったのがゆるやかに下がり、8月からは急落。12月第1週の時点で1万1000円程度まで落ち込み、低価格化が進行している。税別の平均価格帯の推移を見ても、価格の低下は明らか。08年前半は「1万円未満」と「1万円以上1万5000円未満」がいずれも約3割で、1万円以上1万5000円未満のシェアが若干高かった。この構図は4月に変化し、1万円未満が徐々に増えて9月には約5割を突破。12月第1週には約6割を占めるようになっている。(井上真希子)
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