店頭流通
風呂に浸かりながらテレビを視聴! 人気呼ぶ防水機能付きワンセグテレビ
2008/12/22 16:51
週刊BCN 2008年12月22日vol.1265掲載
JIS規格「IPX6」「IPX7」に注目
最近、家電量販店などの売り場でよく見かけるようになってきた「お風呂テレビ」。防水機能が付いた小型のワンセグテレビだ。浴室での利用だけでなく、キッチンなど水がかかりそうな場所でも気軽に使える小型テレビとしても注目されている。BCNランキングをもとに、その特徴と売れ筋をみてみよう。手軽になった「お風呂テレビ」
「お風呂テレビ」を販売している主なメーカーはパナソニック、ソニー、三洋電機、ドウシシャなど。パナソニックは、女優の「綾瀬はるか」をカタログに起用、ソニーは、「ハッピーバスルーム計画」と題したイベントを開くなどして、女性の認知度向上を図っている。「お風呂テレビ」の防水性能は、JISが定める防水基準の「IPX7」や「IPX6」を満たしているものがほとんど。「IPX7」は、水深1mの常温の水道水に30分沈めても大丈夫という基準で、「IPX6」は、シャワーが直接当たっても正常に動作することを表す。「IPX7」「IPX6」ともにクリアしている製品は「IPX7/IPX6」と表示されている。
防水基準上は常温が想定されているが、風呂ではお湯を使うため、各社とも40度くらいの温水にも耐えられるよう設計しているという。
とはいえ、湯船に入れたまま使えるほどの防水性能を持つ製品は発売されていない。また、シャンプーなど、水以外の液体がかかると故障する可能性もある。想定されるのは、風呂の棚に置いたり、フックで壁に掛けるなどの使用法だ。念のため、使用後は浴室の外に出して乾かしておいたほうがよい。
ちなみに風呂場でワンセグテレビを観る場合に注意したいのが、受信環境だ。マンションなどによくある、窓がない風呂場では、ワンセグの電波が届きにくい場合がある。ワンセグ付きの携帯電話などを使って、購入前に風呂場で受信可能かどうかをチェックしておいたほうが無難だ。
売れ筋はパナソニックとソニー
実際に売れている製品をみてみよう。11月第1週(11月3~9日)の「BCNランキング」でカラーバリエーションを合算したシリーズ別販売台数ランキング上位5機種を算出してみた。1位は、パナソニック「SV-ME75」。防水性能は「IPX7」なので、水に浸けても大丈夫だ。しかし「IPX6」はクリアしていないので、シャワーを直接強く当てたりすることはできない。画面サイズは5V型で、そのままワンセグ放送を観たり、SDカードに番組を録画して観ることもできる。電子番組表(EPG)に対応、予約録画もできる。1GBのSDカードを標準で付属している。画像データの表示や、音楽再生も可能だ。なお、3位の「SV-ME70」は、「SV-ME75」と同じシリーズで、録画機能が付いていないタイプ。
2位はソニー「XDV-W600」。防水性能は「IPX7/IPX6」なので、水に浸けてもシャワーがかかっても大丈夫だ。画面サイズは4V型で、ワンセグ放送を観ることができるほか、本体の内蔵メモリに録画することも可能。EPG機能も付いている。「スポーツ延長/番組追跡録画機能」付き予約録画機能を備える。充電式のバッテリーのほか、単3形乾電池も使用でき、これらを併用すると、最大で23時間ワンセグ放送を視聴できる。FM/AMラジオも聴ける。
4位は、同率で三洋電機「LVT-WD40」とドウシシャ「LDW7V-SG」。三洋「LVT-WD40」の防水性能は「IPX7/IPX6」相当で、2位のソニー「XDV-W600」と同じ防水レベル。画面サイズは4V型。録画機能はないが、EPG機能は備えている。
同じく4位のドウシシャ「LDW7V-SG」の防水性能は「IPX6」。「IPX7」には対応していないので、湯船に落とさないように注意が必要だ。画面サイズは7V型で、上位5機種中最も大きいサイズ。ワンセグを観るほか、SDカードに保存してある画像データを表示したり、音楽を聴くこともできる。EPGや録画機能は付いていない。
防水機能付きのワンセグテレビは、浴室に限らず、キッチンやアウトドアなど、水がかかる場所でも手軽に使用できる。コンパクト性を生かして車の中でテレビを観たいときなどにも携行できる利点もある。価格は、2万5000円から3万5000円前後。小型テレビの一つのジャンルとして定着しそうだ。(田沢理恵)
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