店頭流通
デスクトップPCの東西横綱は
2008/12/08 16:51
週刊BCN 2008年12月08日vol.1263掲載
関東では省スペースが人気
インテリアにもマッチ
まず、関東圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)の08年10月のデスクトップPC販売台数シェアを見てみよう。1位はアップルの「iMac」の08年春モデル「MB323J/A」だ。奥行き18.9cmの場所をとらない一体型で、20インチワイド液晶を搭載する。酸化皮膜処理したアルミニウム1枚で縁取ったデザインは、一見PCとは思えない。1GBのメモリ、250GBのHDDを搭載する。
続いて2位と3位には、ともに富士通の製品がランクインした。2位の「FMVFB70T」は、1位と同じく一体型モデル。幅約21cmの円型スタンドを採用し、狭いスペースでも設置することが可能だ。キーボードとマウスはワイヤレスで、シンプルなデザインはインテリアにもマッチする。3位の「FMVCEB40」は、一体型ではないものの「狭額縁デザイン」を採用したコンパクトなモデル。冷却ファンをゆっくり回すことで騒音の発生を抑え、快適性を増した「サイレント・クーリングシステム」を搭載する。
4位はアップルの「MB324J/A」だった。1位の製品と同デザインの「iMac」で、2GBのメモリ、320GBのHDDを搭載する。5位は20.1型ワイド液晶搭載のソニー「VGC-JS50B/S」。奥行き約15.7cmの一体型で、丸みを帯びたデザインだ。
こうしてみると1-5位全ての製品が、一体型かコンパクトモデルという結果になった。関東圏10月のデスクトップPCのタイプ別販売台数シェアを見ても、一体型が51.1%と半数以上を占めている。やはりアパートやマンションに住んでいる人が多いであろう関東圏では、省スペースというのがデスクトップ PC選びの重要なポイントになっているようだ。また、インテリアになじむシンプルなデザインが好まれているのが特徴だ。
関西はとことん安さを追求
本体とディスプレイは別買い?
対して関西圏(大阪、京都、兵庫)は、1位と2位にeMachinesの製品がランクイン。1位の「J4504」、2位の「J4516」ともにディスプレイ別売りのベーシックなタワー型PCで、黒いボディが存在感を放っている。
続いて3位と4位はゲートウェイの製品で、またもやディスプレイ別売りのタワー型PC。3位の「GT5686j」、4位の「FX4710-JB002A」ともに、CPUにインテルのCore 2 Quadプロセッサを採用し、640GBのHDDを搭載する。「GT5686j」は3GB、「FX4710-JB002A」は4GBのメモリを備えるハイスペックモデルだ。5位には、eMachinesの「J4517」がランクインした。こちらは19型ワイド液晶が付属する。
改めて関西圏の1-5位を見ると、ほとんどがディスプレイ別売りモデルだ。関東圏との違いに驚く。関西圏10月のデスクトップPCのタイプ別販売台数シェアを見ても、一体型が35.1%、対してタワー型のディスプレイ別売りモデルは44.4%という結果に。関西圏ではとにかくタワー型(ディスプレイ別売り)の人気が高いのだ。
しかし、PCとして使うにはディスプレイは欠かせないもの。ここで考えられるのは、「既に持っているディスプレイを使う」「ディスプレイを別に購入する」の2通りだろう。前者はディスプレイ代がかからないので、かなり安上がりだ。では後者の場合はどうだろう。
関西圏10月のタワー型PC(ディスプレイ別売り)の税抜き平均単価(以下同)を見ると、6万9313円。続いて液晶ディスプレイの平均単価を見ると2万6049円となっており、両方買っても9万円半ば程度で済む。対して一体型の平均単価は14万9829円。ということは、本体とディスプレイを別に買った方が5万円以上安く済むことになる。これはあくまで平均的な価格での計算だが、それでも関西圏の人が安さを追求しているのは間違いないようだ。(武井美野里)
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