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日立マクセル、“記録”だけでなく“出力”のスピーカーを拡販
2008/11/17 18:45
週刊BCN 2008年11月17日vol.1260掲載
“プロフェッショナル”を追求
―日立マクセル 松岡建志 コンシューマ販売事業部長「(DVDディスクを中心とした)記録メディア事業だけでなく、ほかの事業も伸ばしていく」。コンシューマ販売事業部長の松岡建志は、こう言い切る。アクセサリー分野では、アップル製の携帯型オーディオ「iPod」に対応したスピーカーの新製品を市場投入する。アンプ2台の搭載が特徴で、価格はオープンだが実勢は1万円前後。スピーカーのなかではリーズナブルだ。
サイトから音楽コンテンツをダウンロード購入することが当たり前になってきた。こうした状況からスピーカーの拡販に力を入れ始めたわけだが、低価格に設定したのは「多くのユーザーに音楽を楽しんでもらいたい」との考えからだ。では、音質はどうなのか。「手を抜くのは好きではない。原価が高くなっても品質を追求する」。実際、今回の製品は利益率が低いという。音質にこだわるためにプロジェクトチームを結成し、納得できるまで何度も開発作業を繰り返した。
「1枚10─100円単位のDVDディスクを販売してきた当社にとって、ユーザーに1万円を負担させるというのが高い商品を買わせるようで悪い。そういった意味でも、絶対に手を抜かない」。また、「ユーザーすべてが満足する高音質を提供していくことで当社の“ファン”を増やす。そうすれば、リプレースで上位機種を購入してくれるはず」との目論見もある。
記録メディアでは、“My HDD”がコンセプトの「iVDR」を市場投入、持ち運びや保存の利便性で新しいニーズを生み出した。現段階では、日立製作所の薄型テレビ「Wooo」で使用可能であることが基本だが、「年内を目標に、iVDRのデータやコンテンツを、他のテレビやパソコンで視聴可能とするプレイヤーを発売する」計画も立てている。
コンシューマ事業の拡大に向けて、今年度(2009年3月期)から「コンシューマ販売事業部」が設置された。これにより、開発から製造、販売、サポートまでを一貫して行える体制が整った。この組織の責任者として、営業部門での販売や企画、生産など多くの経験を持つ松岡が抜擢された。「モノづくりにこだわり、新しいことに挑戦し続ける」重要性を説く。「“プロフェッショナル”を追求している」からこそだ。(文中敬称略)(BCN 佐相彰彦)
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