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ネットギアジャパン、国産メーカーが牛耳る市場で知名度上げる
2008/10/20 18:45
週刊BCN 2008年10月20日vol.1256掲載
ブランド力の確立に手ごたえ
――ネットギアジャパン ディビッド・デン 社長そんななか、昨年後半から日本市場で本格的な事業展開を打ち出したのが米ネットギア。日本オフィスは今年4月に法人化し、「ネットギアジャパン」として再スタートを切った。その立役者が日本法人の社長を務めるディビッド・デンだ。
昨年夏、ネットギアに入社した。もともとは、台湾のパソコン周辺機器の大手メーカーであるベンキューの日本法人で営業責任者を務めていた。「台湾メーカーのポテンシャルを目の当たりにしてきた。今度は、米国メーカーのパワーをアピールしたい」。そんな思いから、あえて国産メーカーが強いネットワーク/ストレージ分野に飛び込んだ。ベンキュー時代は日本法人の立ち上げから携わり、日本の液晶モニタ市場でベンキューブランドの知名度向上に貢献した。「ネットワーク/ストレージ分野で、ネットギアの知名度アップを必ず実現する」と意欲を燃やす。
まずは海外勢でも日本のユーザーを掘り起こせる可能性があることを米国本社に説いた。その甲斐あって、日本への投資を惜しまない体制が敷かれた。さらには「米国本社との連携強化で、日本特化の製品を開発できる」基盤が整いつつある。入社当時には数人程度だった日本法人のスタッフは、1年間で20人に増えた。
以前のディストリビュータはソフトバンクBBの1社だけだったが、今年6月にダイワボウ情報システムが新たに加わった。また、コンシューマに対する製品供給については、ある地域のケーブルテレビ会社が加入者向けのモデムとして同社製品を採用。製品面では、無線LANルータで8本のアンテナを内蔵したモデルを発売しているほか、ストレージ機器で6テラの大容量モデルなどラインアップの拡充を図っている。来年度(2009年12月期)は、WiMAX対応製品の市場投入を計画しているほか、米国本社がセキュリティメーカーのCP Secure社を買収したことに伴って、セキュリティ機能を強化した製品も続々と揃える方針だ。
ブランド力がなければ、コンシューマ市場でシェアを高めることは難しい。だが、「肝心のブランド力の確立に手ごたえを感じている」と自信を示す。ネットワーク/ストレージ分野で屈指のメーカーを目指し、奮闘中である。(文中敬称略)(BCN・佐相彰彦)
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