店頭流通
旧モデルはどこまで下がる? デジカメは新旧交代の今が狙い目 半年で35%前後の値下がり
2008/10/06 16:51
週刊BCN 2008年10月06日vol.1254掲載
■底を打つのは新製品登場の直前
コンパクトデジカメがホットになるのは、3-4月と9月から年末にかけて。メーカー各社が春と秋冬に新製品を発売するからだ。特に新製品の発売直後は新旧モデルが店頭に並び、もっとも選択肢が広がる時期。ピカピカの新モデルも魅力だが、価格が下がった旧モデルも捨てがたい。主な機能で考えれば、1世代古いモデルでも十分選択肢に入ってくる。例えば、8月現在では手ブレ補正機能の搭載率が76.5%、顔認識機能が95.9%だった。しかし、3月時点にさかのぼってみても、すでに手ブレ補正機能は70.9%、顔認識機能は88.0%で搭載していた。
3月から9月第1週までの期間で、コンパクトデジカメ市場全体の平均単価(税別、以下同)の推移をみると、4月以降右肩下がりに安くなってきて、8月を底に9月には価格が一気に上昇に転じている。主要メーカー7社(カシオ計算機、パナソニック、キヤノン、オリンパス、ソニー、ニコン、富士フイルム)の平均単価推移をみても、各社とも春モデルが出揃う3-4月に単価が上昇し、8月を底に9月に入ると再び上昇するパターンを描いている。
■春モデルが半年で1万円も安く
では、価格は実際にどのぐらい下がるものなのか。今年3月時点でのBCNランキングでカラーバリエーションを合算した販売台数シェアで上位を占めていたモデルの価格推移をみてみよう。3月時点でのランキング1位は、パナソニックの「LUMIX FX35」。価格は約3万4000円だった。2位は、オリンパス「μ1020」。いずれも2月発売の春モデルだ。3位のキヤノン「IXY DIGITAL 910 IS」は、ブラックが07年9月発売で、シルバーが08年2月の発売。これらの製品は、3月時点で3万-3万5000円だったが、約半年後の9月第1週には約35%前後値下がりしている。パナソニック「LUMIX FX35」については、約半年で1万円も値下がりした。
機能面では、3月の1-3位までのいずれのシリーズも手ブレ補正機能、顔認識機能を備え、モニタサイズは3.8-4.0インチで大きめ。画素数は、パナソニック「LUMIX FX35」とオリンパス「μ1020」が1010万画素、キヤノン「IXY DIGITAL 910 IS」が800万画素。現在でも全く問題なく使用できる製品ばかりだ。3月の4位はキヤノン「IXY DIGITAL 20 IS」、5位はソニー「Cyber-shot T70」だった。これらについても価格は35-45%下がっている。
ただし、今年3月のトップ5モデルは、9月第1週で軒並み8位以下に後退している。新製品の登場で在庫が少なくなっているためで、旧モデルを狙うなら早めに決断したほうがいいだろう。
■新機能搭載の最新モデルも
最後に9月第1週の販売台数シェアランキングトップ3は、1位がパナソニックの「LUMIX FX37」で6.1%。2位がカシオの「EXILIM EX-Z100」で4.1%、同率2位がキヤノンの「IXY DIGITAL 25 IS」4.1%だった。1位の「LUMIX FX37」は秋冬の新モデル。約3万4000円と旧モデルよりも高めだが、新機能として被写体を自動的に追い続けるという「追っかけフォーカス」を搭載しているのがウリだ。価格で選ぶか機能で選ぶか……。新旧モデルをじっくり見比べることができるこの時期は、デジカメ買い替えの絶好のチャンスといえそうだ。(田沢理恵)
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