Scene
パナソニック、薄型TVのアーリーアダプタに買い換え増す
2008/10/06 18:45
週刊BCN 2008年10月06日vol.1254掲載
置き換え、買い替え、セカンド需要狙う
―パナソニック 原 昭一郎 デジタルAVCマーケティング本部商品企画グループ グループマネージャー
公式スポンサーである北京五輪でパナソニックは台数ベースで3割強伸ばした。薄型テレビの次なる商機は、停波期限に向けて、アナログテレビからデジタルテレビへの「置き換え需要」の取り込みだ。
2011年の停波までに、デジタルハイビジョンテレビを普及させることは国策として展開されている。停波まであと3年足らず。アテネ五輪から急速に普及しはじめ、3000万台の普及に3年間を要した。残された3年間で7000万台を普及させるとなると、BDレコーダーなど、デジタルチューナー搭載機器と合わせて、従来の2倍以上出荷しないと間に合わない勘定だ。09年からはすでに薄型テレビを購入した「アーリーアダプタ」の買い替えサイクルも回り出すと原は予測する。「32、37インチを購入した人は、間違いなく42インチ以上の大型画面に手を伸ばす。インチアップとフルHD化による、新たな需要が期待できるだろう」。需要の急増を見越し、兵庫県の姫路市と尼崎市に新たな工場を建設。増産体制を整える。
今年の年末商戦では、40-50インチフルHDタイプのプラズマテレビの拡販を狙う。独自の地域専門店ルート(パナソニックショップ)は販売面での大きな強みだ。
他社に先駆けて機能面を強化し、ただの「見るテレビ」から「使うテレビ」へ、その存在価値を変えた。2000年からSDスロットを搭載していて、SDカードでムービー、デジカメ、携帯電話などで録ったプライベートコンテンツを簡単にフルハイビジョンで見ることができる。ゲーム機、ドアホンの映像や、ビデオ・オンデマンド・サービスのコンテンツのダウンロードも可能という、強力な連携機能を持つ。
置き換え需要、買い換え需要の次には、小型のテレビを寝室に置くような「セカンド需要」も控えている。「需要爆発のXデーは今年末ではないかもしれないが、09年、10年、どこかでそれがくることは確か」。近い将来を見据えて盤石な体制を敷く。(文中敬称略)(取材/田中繁廣 文/鍋島蓉子)
- 1