店頭流通
「iPhone 3G」発売 直営店舗などで長蛇の列 「久々の大型商材」と量販店も期待
2008/07/21 18:45
週刊BCN 2008年07月21日vol.1244掲載
発売日の7月11日、ビックカメラとヨドバシカメラは、消費者の熱気に後押しされるように、店頭イベントを開催。ビックカメラは有楽町店本館(千代田区)1店舗で開き、ヨドバシカメラはマルチメディアAkiba(千代田区)とマルチメディア梅田(大阪市)の2店舗で行った。俳優を招いて華々しく大型商品の発表を盛り上げた。カメラ量販店の大手2社が、携帯電話の発売で大々的なイベントを開催したのはこれまで例がなく、消費者の関心の高さだけでなく、量販店の期待の大きさも改めて印象づけた。
「iPhone」は、米国で2007年6月に発売され、同年11月には英国でも販売開始。世界数か国ですでに出荷済みとあって、日本のユーザーの関心はその頃から高まっていた。それだけに、3店舗では予想通り長蛇の列が見られた。ビックカメラ有楽町店本館では360人以上が並び、ヨドバシカメラのマルチメディアAkibaでは約1000人が購入整理券の入手に群がるほどの人気ぶりを見せた。
ビックカメラとヨドバシカメラともにイベントには社長が出席。ビックカメラの宮嶋社長は、「久々の大型商品にワクワクしている」と話し、ヨドバシカメラの藤沢昭和代表取締役は、「画期的な商品。ヨドバシとしても力を入れて販売する」と、成熟した携帯電話市場の需要活性化に期待する姿勢を示した。一方、ソフトバンクモバイルの孫社長は、「携帯電話というよりもパソコンに近い端末。ケータイ業界の新しい歴史の幕開け」と拡販に自信をみなぎらせ、「スティーブ・ジョブズ(アップルCEO)は天才だ」と興奮した表情で話していた。
品薄状態が今後も続くとみて、ソフトバンクモバイルは、販売を1人1台に限定。発売翌日以降もソフトバンクショップおよび家電量販店では行列が発生しており、“iPhoneフィーバー”は今後もしばらく続きそうだ。
端末発表の裏にもう1つの大仕掛け アプリ提供の「App Store」開店 |
アップルは端末の発表と同時にもう1つ大きな仕掛けを発表している。「App Store」と呼ばれるアプリケーションソフトの提供・販売サイトだ。 「App Store」は、「iPhone」と「iPod touch」で動作可能なアプリを「iTunes store」内で提供・販売する。ゲームやビジネスで使う業務ソフトなどのアプリを7月11日に提供開始。無償と有償のタイトルがあり、無償ソフトは約200種類揃え、有償ソフトを含めれば約800本(7月14日時点)用意した。開始後3日間ですでに1000万本がワールドワイド合計でダウンロードされた。 アップルは、ソフト開発会社向けにSDK(ソフト開発ツールキット)を無償提供。ソフト開発企業は、SDKを使って「iPhone」と「iPod touch」上で動作するアプリを開発できる。アップルの「デベロッパープログラム」と呼ばれる制度に参加費用を99ドルを支払って参加し、販売が許可されれば、「App Store」でソフト開発会社は自ら決めた価格で売り出せる。アップルはビジネスとして端末販売と音楽・動画配信サービスの次に、サードパーティを巻き込んだアプリ提供サービスを始めたわけだ。 「App Store」で販売するソフトは、ゲームなどコンシューマ向けのアプリとは限定されていない。企業や団体で使うビジネスアプリも対象だ。 すでに日本オラクルはBIツールを提供開始、ドリーム・アーツは、グループウェアを「iPhone」へ対応させることを発表した。ビジネス用端末としてすでに数社のITベンダーが「iPhone」に着目している。 |
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