店頭流通

コダック 初の製品 個人向けスキャナ拡販 競合制してシェア20%狙う

2008/07/07 18:45

週刊BCN 2008年07月07日vol.1242掲載

 コダック(松浦規之社長)は、今年3月に発売した同社初の個人向けドキュメントスキャナ「コダック ScanMate i1120スキャナー」を本格的に拡販する。6月30日から8月31日まで約2か月間には、同製品購入者に人間ドック費用やコダック製品などが当たるキャンペーンを実施する。あわせて、家電量販店や大手ディストリビュータ経由の代理店販売を強化。個人向けスキャナ市場で上位メーカーであるPFUやキヤノンを追随し、同市場で20%程度のシェア獲得を目指す。

 同社製で最もコンパクトなモデルである個人向けドキュメントスキャナ「コダック ScanMate i1120スキャナー」(A4縦送りで最高毎分20枚)は、同社が得意とする業務用のハイエンドスキャナ開発で培った技術を小さい筐体に採用している。例えば、上位機種の機能である書類ごとに傾きや修正、枠消し、濃度調整などを自動で行う機能を搭載。また、本体のボタン操作だけで9種類の任意条件(出力ファイル形式など)でスキャンを実行できるなど、「誰でも簡単に書類をデジタル化でき、そのイメージを活用できる」(中村浩士・ドキュメントイメージングアンド ビジネスプロセスサービス事業部DI営業部部長)と、競合製品にない機能があり、後発でも一般オフィスやコンシューマ市場にも拡大できると判断している。

 今年3月に発売して以来、「期待以上に注目を集め、販売数が伸びている」(中村部長)ことから、さらに市場への浸透を図るため、約2か月間の「Kodak ScanMate わたしスキャンキャンペーン」を開始した。期間中に同スキャナを購入後、同社ホームページでユーザー登録すると、5万円相当の人間ドック費用や同社製のデジタルカメラ、デジタルフォトフレームなどが抽選で当たる。一般オフィス向けスキャナを市場へ投入するのは同社初であるため、「まず、一般ユーザーに広く知ってもらうことが重要」(同)と考えたという。

 今回の製品は、競合他社製品と異なり、独自ドライバが必要なく他のスキャナやコピー機、IT機器、ネットワークなどと連携したシステム開発が容易だ。そのため、大手ディストリビュータ経由でSIerに製品を流通させるほか、銀行や保険、証券業など金融機関、行政機関の窓口業務など、分散処理が進む特定業界への普及も目指す。同社製の中・高速スキャナは、こうした業界へ幅広く浸透しており、「代理店などは、中・高速機を導入する企業に対し、今回の個人向けを分散処理用として提案できる」(中村部長)と、店頭や大手ディストリビュータ経由の一般オフィスに加え、特定業界への進出も狙う方針だ。
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