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東芝 AVノートPCの映像処理機能を強化 第3のプロセッサ搭載「Qosmioシリーズ」

2008/06/30 18:45

週刊BCN 2008年06月30日vol.1241掲載

 東芝は、AVノートPC「Qosmio(コスミオ)シリーズ」の新製品として、Qosmio G50シリーズおよび同F50シリーズを7月下旬に発売する。インテルの新プラットフォームに対応するとともに、Cell技術を採用したSpursEngineを採用。これにより映像処理能力を大幅に向上させているのが特色となっている。

 東芝では、「これまでのパソコンは、映像加工、映像認識を苦手としていた。だが、第3のプロセッサともいえるSpursEngineをノートPCに最適化したノートPC用サブボードとして新製品に搭載。これにより、ハイビジョンコンテンツが自在に操れる、まったく新たなAVノートPCへと進化させることに成功した」と説明する。

 SpursEngineは、CPUやGPUとは別に映像処理を専用に行うプロセッサと位置づけられ、これによりパソコンで映像を録る、見る、編集する、残すといった使い方が快適に行えるという。

 高速トランスコード技術により、地上デジタル放送の番組を8倍録画できるほか、地デジの番組を高画質のまま倍速でダビング。さらに、画素類推によって、DVDタイトルをHD相当に高速アップコンバートし、高画質化して再生することも可能。また、録画した地デジ番組の出演者の顔をインデックスとして表示し、見たいシーンを素早く検索できる映像インデキシング機能「顔 de ナビ」を搭載するなど、映像処理に関しては、AV機器を超える機能を実現した。

 また、内蔵ウェブカメラを利用した、ジェスチャーインタフェースを採用。手の形状や動作を認識し、映像の再生、巻き戻しができたり、PowerPointの操作をジェスチャーで行えるようにもなる。

 新製品では、デザインも一新し、ラウンドフォルムを採用。成型時に金型のなかに転写フィルムを挟み込む成形同時加飾転写工法を用いている。

 市場想定価格は、G50シリーズの18.4インチ液晶を搭載した最上位モデルで33万円台半ば。F50シリーズは25万円台半ばとしている。

 今後のQosmioシリーズの差異化戦略として、SpursEngineおよびCell技術の強化と共有、ハイビジョン映像のワイヤレス伝送、テレビや携帯電話との連携機能の強化、ネット映像配信への対応強化を図る考えを示した。

 また、同社では、プレミアムスタンダードノートPCとして、dynabook Qosmio FXシリーズを発売する。同製品には、SpursEngineは搭載していないが、インテルの新世代プラットフォームを採用し、グラフィック性能を強化。市場想定価格は20万円台半ばとなっている。
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