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エプソン販売、写真印刷の醍醐味をハイアマに伝える

2008/06/23 16:51

週刊BCN 2008年06月23日vol.1240掲載

 インクジェットプリンタの店頭販売は、セイコーエプソンとキヤノンの「2社独占」市場だ。「潜在ニーズをどうつかむか。常にこのスタンスで戦略を練っている」。通常、新機能開発は3年ほど前から始まる。「最大のライバル」同士の決戦は、用意周到に「潜在ニーズ」をリサーチし、相手より先にこれを顕在化させることができるかどうかで勝敗が決まる。

インク写真印刷の“醍醐味”伝える

―エプソン販売 杉崎正樹プロダクトマーケティング部長

 5-6年前に繰り広げられたのは「解像度」や「印刷スピード」競争。すでに終結しつつある。「機能自体は満足レベルに達した」からだ。しかし、機能性が高まった一方、「買い換えサイクルが長くなりつつある」とみる。つまり、「大量販売」からの戦略転換を迫られているのだ。

 インクジェットプリンタは、パソコンと同じく一家に1台の時代になり、「コモディティ(日用品)化」が進んだ。「パソコンを使いこなすプロシューマの周辺機器でなく、単体機として主婦層でも感覚的に使えることが必須」になった。エプソン販売は2008年の市場見通しを前年比98%(台数)と減少傾向を予測する。しかも「しばらく続く」と危機感を募らせる。

 厳しい市場環境の下でエプソン販売は、利用法で大半を占める写真印刷に活路を見いだそうとしている。当然、ライバルも同じだが…。「買い替えが進まないならば、当社機を長く使ってもらうことを前提にして、消費量が大きく粗利も高い写真印刷の使い勝手を高める」。耐久性が高く使い勝手のよい機種を開発。利用期間を延ばしてインクジェットカートリッジをコンスタントに消費してもらい、それで収益を上げるスタンスだ。

 6月上旬には、A3ノビ対応の戦略機種「PX-5600」を発売。「プロも納得の本格派モデル」で写真愛好家などハイアマ層の開拓に本腰を入れる。「(機器購入に)高いお金を払うヒトほど、いっぱい印刷してくれる」からだ。6月10日には、東京・新宿三井ビルにあるフォトギャラリー「エプサイト」を開設10年目にしてリニューアル。「当社プリンタで絵づくりする場を提供」し、ユーザーに家庭での写真印刷・表現の醍醐味を感じてもらう方針だ。

 昨年は「BCNランキング」の年間シェアでキヤノンに僅差で敗れた。「筐体が大きく見えるデザインが敗因」と分析。「順次改善する」と、デザイン性を高めライバルを追撃する。(BCN・谷畑良胤)

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外部リンク

セイコーエプソン=http://www.epson.jp/