店頭流通
アイ・オー・データ 地デジ対応TVキャプチャを投入 NXPと協業、ソフト事業拡大も視野に
2008/05/19 18:45
週刊BCN 2008年05月19日vol.1235掲載
同製品は、地デジチューナー基板とB-CAS基板を1スロットに納めたコンパクト設計で、きょう体内部の狭いパソコンでも搭載が可能なほか、ハイビジョンを追求した動作再生エンジンの「Super Live Creationエンジン」を搭載し美しい動画を再現できるのが特徴。5月中旬から出荷を開始している。価格は2万1000円。
今回、地デジ対応製品の発売に乗り出したのは、北京五輪の開催などで今年がパソコンでデジタル映像を視聴する需要が増えるとみているためだ。細野社長は、「デジタル映像では、高画質が求められる。高品質を確保するため、NXPとアライアンスを組むことになった」としている。同製品の市場投入に向け、昨年夏からNXPと共同開発を実施。需要がピークを迎えるといわれる北京五輪前に販売開始にこぎ着けることができた。NXPにとっては、アイ・オー・データと協業することで「日本市場での知名度を一段と高められる」(松本社長)と期待する。
TVキャプチャボードに続き、USB型の外付け接続モデルなども近く発売する予定だ。製品ラインアップが揃った段階で、「地デジに対応した製造関連機器の販売台数として、1年間で24万台程度を目指す」(細野社長)としている。
パソコンでデジタル映像を鑑賞する需要が増えることから、地デジ対応の映像関連機器を次々と発売していくわけだが、アイ・オー・データにとってはビジネス領域を広げることにもつながる。TVキャプチャ対応のソフトウェアとして自社開発の「mAgic TV Digital」を今回の製品でも添付しており、電子番組表の録画機能を使いやすく強化したという。同ソフトウェアの「パソコンメーカーによる本体へのバンドルや、OSメーカーへのOEM提供を行っていきたい」(細野社長)意向。
そのため、「映像関連で定評のあるNXPとの協業を進めた」としている。需要が伸びるとの見方が強い映像関連ビジネスを核に大きなビジネスチャンスに結びつけたい考えだ。
ハードメーカーが自社開発ソフトでビジネスチャンスをつかもうとしているのは、事業領域の拡大を狙った戦略にほかならない。アイ・オー・データでは個人向けハード機器に添付するソフトが好評であることから、「ソフトでも収益が出るビジネスモデルを構築する」(細野社長)ことを模索し、OEM提供を視野に入れている。
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