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アスース・ジャパン EeePC 発売2か月で3万台を出荷 バッテリー調達の遅れで6月まで品薄か

2008/04/07 18:45

週刊BCN 2008年04月07日vol.1230掲載

 アスース・ジャパン(ASUS)は、3月末までに、約3万台のEeePCを国内出荷したことを明らかにした。当初の計画では年間60万台の出荷を目指していたが、実績はこれを大きく下回るペース。同社では「バッテリー調達の遅れが原因」としており、この品薄は今年6月まで続くという。一方、Linux搭載モデルの国内投入準備が進んでいることを明らかにした。

 EeePCは、1月25日の発売以来、慢性的な品薄となっている。ビックカメラ有楽町店では、「ほとんどが指名買いによる購入。製品があればもっと売れる」と、品不足が売れ行きに影響していることを示す。

 アスース・ジャパンでも、「受注残は1万台。2週間に一度といったペースで入荷しているが、この状況は、6月まで続くことになる」(アスース・ジャパンモバイルデバイスマーケティングマネージャー・雛形剛氏)と語る。

 品薄の原因はバッテリーの調達遅れによるものだ。同社によると、台湾や米国向けの製品では、4400mAのバッテリーを使用しているが、日本向け製品では、3.2時間の駆動時間を維持するために、5200mAのバッテリーを使用している。「5200mAバッテリーの調達状況からみると、6月までは月平均1万5000台の出荷が精一杯」だとする。

 BCNランキングによると、今年2月のノートPCにおけるASUSの台数シェアは、5位となる4.8%。また、機種別シェアでは、発売日を含めた1月21-27日では、パールホワイトカラーが5.6%で2位、ギャラクシーブラックカラーが4.0%で5位となり、あわせて9.6%と、2ケタ直前までシェアを引き上げていた。

 現時点での購入者は、パワーユーザーが中心。EeePCがターゲットとしている、これまでPCを所有していなかった顧客層や、子供、主婦、高齢者などには広がっていない。同社では、現在、ローカライズを進めているLinux搭載モデルを国内投入することで、こうした需要層に訴求する考えだ。

 「台湾では購入者の65%が女性だが、これはLinux搭載モデルにおいて、操作しやすいインタフェースへ改良していることが要因。今後、Linux搭載モデルを国内投入した段階で、女性層、子供への訴求を本格化したい」としている。

 Linux搭載モデルの投入時期は未定だが、その段階でターゲットとした需要を顕在化できるかが注目される。
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