デルは、ポータブル地デジチューナー「MonsterTV HDU」をバンドルしたパソコンを売り出した。大手外資系メーカーによるフルセグ対応パソコンの投入は初めて。10月16日からの同社直販サイトでの販売に先駆け、13日からはビックカメラ店頭で「地デジパッケージ」として先行販売をスタートする異例の措置を講じた。

　USB接続が可能なエスケイネット製の地デジチューナーを個人向けデスクトップのInspiron 530／531、個人向けノートブックのInspiron 1420／1520／1720およびXPS M1330の6機種にバンドルして販売するもので、チューナーにリモコンを同梱した。チューナー本体のリモコン受光ユニットを利用することで、テレビの操作を可能としているのも特徴のひとつ。なお、バンドルしたチューナーは、他のパソコンでは利用できないように制御されている。

　今回の製品は、デル日本法人の独自企画によるもの。一時は内蔵チューナーの製品化も検討したが、各筐体にあわせたモジュール成形が必要となりコスト増へとつながること、米国本社と設計段階から打ち合わせが必要であるため、製品化まで時間がかかると判断。外付けにこだわった。

　また、一般に地デジチューナー搭載モデルは、標準モデルに比べて6万円ほど高いとされるが、他社の標準モデルと同等の価格設定としたのも特徴。さらに、店頭販売を先行させることで、地デジチューナー搭載製品へと顧客を誘導する施策も展開する。

　市場全体のデジタルチューナー搭載率はデスクトップPCで24%。ノートPCではわずか4%にとどまっている、とされる。これを、デスクトップPC、ノートPCとも20%以上に引き上げる計画。とくに店頭販売に限れば、さらに高い搭載率を見込んでいる。

　同社では、ワンセグチューナー搭載モデルの比率が、今年夏には40%に達した実績がある。